『むかしむかし、 1962年のアメリカでは…』
基本的なストーリーは恐ろしくありきたりですよね。「E.T.」とか「宇宙人ポール」とか「アイアン・ジャイアント」とか?
ちょっとおかしな見た目のあいつ。でも大事な友達さ! 悪い奴らからあいつを助けてやろう!みたいな感じ?
でちょっとロシア(というか当時はソ連か)風味を足してハラハラドキドキ感も適度にはあるんですが。
友情を愛情に変えただけ?と途中ずっと思いながら観ておりました。
グッと来たのはホントにラストのラスト、アカデミー会員の皆様もきっとここで感動されたんじゃないでしょうか。
突然物語がおとぎ話として飛翔する瞬間。
声の出ないヒロインは、陸に上がるための引き換えとして声を失った、あの童話のヒロインだったんだと。
サリー・ホーキンスはもちろん良かったですが、やはりマイケル・シャノンは良かったなあ。なんかアカデミー賞当日は酒場でお酒飲んでたらしくて、ますます良かった。
冒頭から音楽が心地よくて、アカデミー賞受賞も納得。
セットの作り込みとか、小道具とか観ていてリッチな気分になる。
割りと低予算の制作費っぽいのに、そこは素直にすごいなあと。
これが二十世紀フォックス製じゃなくて、フォックスサーチライト製だというのがね(それは同じことだろうと言うことなかれ)。
こういうフォックスの見識のなさが、フォックスのディズニーへの身売りなどという事態に至ったんじゃないかなと思ったり。
劇場(字幕版)にて。18.03.09
2018#024