シマすけ

シェイプ・オブ・ウォーターのシマすけのレビュー・感想・評価

4.2
孤独な者たちの愛


科学研究所で清掃員をしているイライザは声を出せない障害を持っており、少なからず孤独を感じていた。ある日研究所に半魚人のような何かが運び込まれ、こっそりと彼と触れ合い始めるイライザ。やがて2人は同じマイノリティとして運命を感じるようになる。


映画館の上に住んでるとか羨ましすぎる。

大人のおとぎ話といった映画で、こういう少しグロくて幻想的な内容大好き。
怪獣と障害持ちの女性という組み合わせにキワモノ感を感じつつ、中身は紛れもない純愛もの。
種族を超えた愛の前では言葉はコミュニケーションの手段にすぎず、何か運命的なものによって結ばれること、それが愛なのでしょうか。

面白いのがみんなそれぞれ孤独や悩みを抱えていて、それは悪役も同様だったということ。
「ク タ バ レ ク ソ 男」でおなじみのストリックランドですら、理想的な家族がいるにも関わらず終始苦い顔をしていたり、常に追い詰められていて全然幸せそうじゃない。
「たった一度のミスでクズ扱い?いつまで自分がマトモだと証明すればいいのです?」という言葉が突き刺さった。
クソ野郎だけどある意味一番の被害者。


レトロな雰囲気や水を効果的に用いた演出、エメラルドグリーンの美しい色彩などキワモノでありながら優しい雰囲気に包まれていた落ち着く映画でした。
水中の2人だけのハグがとても幻想的で幸せな雰囲気に満ちていて美しかった。

どうか2人とも幸せに生きてほしい。


てかモザイク、お前まだ仕事してたのか…
シマすけ

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