【想いの継承】
西野七瀬さんがゲストで登壇された回に鑑賞。遠目に見てもとても美人で可愛いらしく、地元映画館への愛を感じる方でした。
シン・ゴジラやシン・ウルトラマンでは人間関係や感情表現をドライに、かつしっかり読み取れば想いが伝わる描き方だった庵野監督が、今回かなりストレートに感情移入しやすい表現をしていたのが驚きでした。
アゲるところはしっかりとアゲて、感動させる場面ではちゃんと泣かせる構成になっており、怪作の側面もあったゴジラやウルトラマンと比べればとっつきやすい映画だった印象です。
もちろんスピード感のあるバイクチェイスや人外じみた迫力ある格闘も見どころですが、今回は等身大の人間と怪人がメインのお話なので、彼らの心情に深く迫った物語が心に残りました。
自身の圧倒的な暴力に恐怖を覚えた仮面ライダーの猛が、優しさの力で敵を止めようと信念をもって戦う姿や、弱さや絶望ゆえに改造人間になってしまった哀しき悪役としてのショッカー達が描かれ、彼らへの感情移入がしやすかったのも心を揺さぶられた要因です。
その中でもはじめは冷淡でクールだったヒロインのルリ子が、猛と行動を共にする内に感情豊かになっていく姿が同監督のエヴァに登場する綾波レイを思わせ、とても魅力的なキャラクターでした。
バッタオーグではなく仮面ライダーとして正義のために戦うことを決意した猛の決意や、家族への大事な思いやりを抱くルリ子の想いがどのような形で継承されていくのか、そこが見所です。
初代仮面ライダーを知る人なら間違いなく刺さる映画でしょうし、シン・シリーズを見ている人ならニヤニヤするキャスティングなど、楽しみタップリな作品でした。
後味スッキリな心に響く、浄化される映画でした。
