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リュミエール!のたにたにのレビュー・感想・評価

リュミエール!(2016年製作の映画)
3.8
【映画の父】2022年169本目

1895年12月、初の有観客で映画を公開したリュミエール兄弟。

エジソンのキネマスコープに感動した彼らが、発明家としてフィルムを映写機を通してスクリーンに映し出すシネマトグラフを開発し、ここに映画が始まった。

"映画の父"と呼ばれるリュミエール兄弟の映画は、フィルムの長さの関係で1分足らずの作品が多い。
数千の作品を生み出してきた彼らの映画の中から、108本以上の作品を映し出しながら、その歴史と演出に陶酔することができる。

リュミエールは、自分の家族を出演とした作品だけでなく、労働者階級の人々をも被写体とした。風にたなびく木々の様子に驚くだけでなく、当時の服装や生活を覗き見ることができる貴重な資料ともいえる。

さらに、そこにはすでに構図というものが存在し、向かってくる機関車と人々の往来という画面を見事に二分した当時の臨場感を演出している。

我々が映画を楽しむことができているのは、紛れもなく彼らの探究心のおかげであるのだ。
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