このレビューはネタバレを含みます
事実に基づく物語
第二次世界大戦中の1943年、ユダヤ人の子供たちが、ドイツ兵から逃れ、フランス、イタリア、スイスへ命懸けで亡命する話😭グロいシーンはないです。
ナチス占領下のフランスのクルーズ。ユダヤ人の子供たちを預かる支援組織が秘かに運営する児童施設。13歳のユダヤ人の少女ファニーは、幼い二人の妹と共に2年前に両親と別れ、そこに匿われている。
ある日、密告者=神父の通報により、子供たちは別の施設に逃げ出す。密告者が神父って言うのが驚きです。彼は密告が正しいことだと信じていたのでしょうか。
そこはイタリア占領地のムジェーヴのマダム・フォーマンという支援者の自宅。フォーマンは子供たちにとても厳しかったのですが、それは子供たちを自立させるためのしつけ。とても立派で高潔な女性です。ここでファニーたちには母親からの手紙が来なくなる😭
7月25日、ムッソリーニが失脚。フランスにおけるイタリア軍撤退=ドイツ軍進軍 (イタリア軍はユダヤ人に寛容)ドイツ兵がやってくる前に、二手のグループに分かれ、林間学校で山に行く体で、電車を使ってスイスへ逃げることに。
しかし、思ったより厳しい取り締まり。大人はパスポートをチェックされるため、偽パスポートが判明する可能性が高い。それで子供たちだけで逃げ続けることになる。
フォーマンに9人の子供たちのリーダーを任命されたのが、2人の年上を差し置いた年長でもないファニーだった。「あなたは頑固だからみんなを引っ張って立派にやり遂げられる筈だわ」
三人姉妹の長女でもあり、幼い妹の面倒見もいいので適任なのでしょう。後から追いかけると言うフォーマン。しかしフォーマンとは二度と会うことはなかった😭(実際は、彼女は色々な人をミックスしたフィクションだそう)
子どもたちだけの死と隣り合わせのハラハラする逃亡劇。随所に大人の助けが必要になる。命懸けで救ってくれる、善ある人たちだけでなく、自分の信念や護身のために密告する人もいる。逆に子ども好きのドイツ兵が(ユダヤ人とは気づかず)飴をくれたりするw
特に赤ん坊連れの優しそうな女性が、警察に子供たちの正体を密告する場面は、護身のためとはいえ、やるせなくて悲しい。こう言う時に、見た目ではわからない本性が出るw
子どもたちの荷物は、安全のために、ユダヤ人に結びつく物や写真などは全て破棄されており、持ち歩いてはいない。そんな中、ファニーが大事に持っている思い出が見えるカメラ(想像力の賜物) 夜、ベッドの中で、父からもらったそのカメラのファインダーを覗いて、楽しかった日々を思い出している。
そして、失意の底にあってもファニーが頑張れたのは、ドイツ兵に捕まった、施設の食事担当で仲良しだったエリーから、必ずスイスに届けるように、そして最後まで見てはいけないと頼まれた手紙のおかげでもある。
その手紙がファニーの前進への原動力になっていた。手紙がドイツ兵に見つかったら…と思いましたが、なるほどな内容でしたねw ラストは、その手紙がスイスの青空に、嬉しそうに舞っていました😊
ファニーは今イスラエルに住んでいるそうですが、果たして他の人たちはどうなったのでしょうか。
スイスまでたどり着けなかった子供たちも大勢いたに違いないし、子どもたちを支援したり、助けたりしたために殺されてしまった人たちも沢山いたと思われ、とても切ない気持ちになりました😭
(スターチャンネルEX-DRAMA&CLASSICS)