KUJIRA

女は二度決断するのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

女は二度決断する(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ダイアン クルーガーの迫真の演技が只事では無い。夫と子供を爆弾テロで亡くした時の狂ったように泣くシーン。あまりオーバーにやると嘘っぽくなりそうな物だが、のたうち回る様は演技を超えていて、想像を絶する悲哀の感情が観ている者にも伝播する。その後の、悲しみに飲み込まれたり、放心状態になったりと病的な演技に打ちのめされる。実際に今、現実に目の前で起きている。そう言うリアリティの極限とも言える名演だ。
中盤は法廷物として楽しめた。裁判のシーンは大概面白い物だ。爆弾でどの様にダメージを負ったかの生々しい証言が耳を覆いたくなるレベル。限りなく疑わしくても、他の可能性を否定出来ないなら無罪。法のグレーゾーンが悪い方に作用した典型例とも言える。しかし、あの被告の弁護人の腹立つ事!最早、被告よりも殺意を覚える。
第3章は、本人の精神状態を表すのか、不安定な展開。爆弾を作り出した段階で、「あいつら全員血祭りだ!」と言うノリかと、ちょっと期待した。爆弾をセットしてリモコンでドカーン。しようと思ったけど、やっぱり止めた。一晩明けて、やっぱり決行!何と爆弾の入ったリュック背負ったまま乗り込んでボン!!
最後の一晩で気が変わったのが伝わって来なかったのが勿体ない。
只々、ダイアン クルーガーが美しい。
KUJIRA

KUJIRA