結局カレー

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の結局カレーのレビュー・感想・評価

3.3
劇中ちえさんがサラッと言った「優しい言葉は他人を傷つけるから、あんまり好きじゃないんです。」という言葉がなぜか自分でも驚くくらい刺さった。ありきたりなメッセージなのかわからないけどちょっと頭カチ割られた感じ。

私は結婚していないけどよく聞く「夫婦生活、思っていることは言葉にしないと伝わらない」という主張のアンチテーゼ的な映画というか。
確かに言葉にしないと伝わらない、けど言葉全てが思っていることってわけじゃない。言葉を目先の慰めに使うことや誤魔化しに使うことだって人にはある。ちえさんは言葉をあてにせず思いを伝えてるにすぎないのかな。それはめちゃくちゃにわかりにくくて夫は大変だけど。「夫婦生活、思いを伝えよう言葉であってもなんであっても」って教訓の方がいいのかもしれない。

夫婦生活を惰性で続けていく気はない夫にちえさんらしく「愛してる」を伝えてる。死んだフリする妻に疲れつつもどこか面白がれる夫は最高のパートナーだとおもう。生活に「おかしむ」ことを取り入れらるってすごいこと。この映画の終わり方にハッキリしないなあーと思っちゃうのもわかるけど、明言しないことがこの夫婦らしさなんじゃないのかな。私はラストちえさんが理由をハッキリ話したわけじゃないと思ってる。

強いて言うならチャットモンチーのエンディングソングが「別にふざけてるんけじゃない」という歌詞で始まること、これがみてる側へのひとつの答えなのかも。いいED。

あと関係ないけど2人の空気感とても好き。