へたれ

テリー・ギリアムのドン・キホーテのへたれのレビュー・感想・評価

3.5
良かったとこ1 ちゃんと完成できたこと
オープニングタイトルで自ら皮肉っているとおり、このまま幻の企画で終わると思っていた作品が本当に完成したという驚きがまず大きい。しかも、おそらくこれまでの製作頓挫を踏まえたようなセリフがいくつかあったりして、観られること自体が事件。

良かったとこ2 主演2人のはまり具合
これまで何人も降板したのに、完成した映画を観るとこの2人以上にうまくできる人が思いつかないぐらい、アダム・ドライバーとジョナサン・プライスのコンビがはまっていた。ジョナサン・プライスは自然に気が狂ってる佇まいも良かったし、アダム・ドライバーは表情はほとんど変わらないのに最初と最後で別人のように変化したのも見事だった。

良かったとこ3 テリー・ギリアムの集大成的
現実と妄想が交互に出てくる語り口は「フィッシャー・キング」みたいで、ドンキホーテとサンチョの旅はどこか「ホーリー・グレイル」を思わせるし、新作と思えないぐらいテリー・ギリアムらしさが詰まっていた。

ダメだったとこ 全般的にショボさを感じる
低予算で作りました感が強い美術や、妄想から現実に戻ったのに現実のリアリティも中途半端なところなど、何度も頓挫しなければもっとキレの良い作品になっていたような気がする。
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