偽名祐司

ポラロイドの偽名祐司のレビュー・感想・評価

ポラロイド(2018年製作の映画)
3.8
超王道リング系ホラー作品。ど直球だけどよく出来てます。
チャージ音長すぎません?等とは言ってはいけません。

話はアプリ参照で。
自分に自信が持てない写真好きの女子高生バード。バイト先のアンティークショップで先輩タイラーからバースデーって事で年代物のポラロイドカメラを貰う。
先輩やその日誘われたパーティで友人達をそのカメラを使って撮影した翌日。次々と原因不明の死を遂げていく周囲の人々。
ポラロイドカメラに撮影された人は死んでしまう、呪われたカメラ。
彼らは正体不明の何かに追われつつ生き延びる為にカメラに秘められた謎を解き始めた。

久しぶりにド直球のホラー観たなあ。
音と映像、正体の不明さで攻めてくる超正統派。
アバンの過去話がもう怖い。暗闇の家なだけでもアレなのに天上裏行くとかもう呪怨ですか?って感じで。

本編もトラウマあって前向きになれないバードに、青春まっただ中の友人達という順当な仲間がおり。安定の設定です。
ルールも単純明快で、「カメラに撮影されて」「影と一緒に現像される」と「死ぬ」。シンプルですね。
ちょっと面白いのが貞子みたいに「7日後絶対殺す」とか呪怨の「ちょっと出てきて怖がらせてから殺す」とかの猶予が無い点。
結構速攻で攻めてくるので展開がまあ早い。作中全体の話がわずか数日で片が付く始末。

そしてもう一つのポイントは「カメラで撮影された写真が本体になる」点。具体的に言うと、「自分が写った写真を焼くと自分も燃えますし、穴をあけると自分にも穴が開く」何故とか言ってはいけません。そういうルールなのです。いいじゃない、面白いなら。

正体不明の何かも少しずつ小出しにしてくるので前半の何かわからない状態の恐ろしさが際立ちます。ルール無用の時間空間関係なしで出現可能系なのでなかなかです。
基本的に暗闇になると出るのですが(理由は説明されます)暗闇のシーンの演出が非常に上手いです。暗闇の中揺れる電灯とか自動でフィルムチェックするための光とか。
後半の正体が判明した後もきちんとルールが存在してるところが好印象。主役たちの反撃やピンチをすり抜ける手法になります。

そして実に王道の展開でカメラの謎にまつわる真実が後半に明かされるのですが。この作品の面白い所はその真実が二通り存在すること。そしてそのどちらが正解か最終的に明かされないまま終わるという。事実を見る視点によって真実は変わるというネガポジ的な要素としてあるのでしょうか。どちらにせよ面白い試みかと思います。

純粋びっくりホラーとしてホラー好きには素直にお勧めの作品です。夏を一気に涼しくしましょう。

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