馮美梅

ゆずりはの馮美梅のレビュー・感想・評価

ゆずりは(2017年製作の映画)
3.8
コロッケさんが本名で普段の面白を封印して出演しています。でもあまり厳しい表情をしているとついつい美川憲一の真似を思い出してしまいましたが(汗)

葬儀社「安宅」のベテラン社員の水島は仕事はできるが、仕事に感情を出してはいけないというポリシーで淡々と日々過ごしている。それがいい場合もあるんだろうけど、社長はそんな水島をどこか心配しているように見える。

ある日、社長が新入社員を入れたいということで面接が行われたのはいいけれど、やってきたのは金髪の言葉遣いも態度も葬儀社には全く不向きに見える若者高梨歩(たかなしすすむ)。

しかし、なぜか彼の話に惹かれるものを感じた水島はとりあえず見習いで入社させることに。

今までの水島のポリシーが全く通用しない高梨に振り回される水島と社員たち。しかし、残されたものに寄り添う高梨の行動に少しずつ水島や社員たちにも変化が起きる。

ある人は目の見えない旦那様を、自殺した娘を、交通事故で幼い弟を…それぞれの悲しみ、思いを感じながら、葬儀を行っていくうちに、高梨も成長し、水島もまたいろんな感情が出てくる。

水島の過去、それは亡くなった彼の奥さんの父でもある社長にとっても心の傷でもあったこと。社長は高梨の存在で水島が変化していく様子を見て安心する。

でも、なんで奥さんは自殺してしまったんだろう?
自分の両親が実の両親じゃなかったから?夫の態度を見ているのが苦しくなったから?その辺がちょっと納得いかなかったなぁ~。

でも、高梨歩を演じた柾木玲弥さんが良かった。
なぜ、彼が場違いのような葬儀社の面接にやってきたのか?
それも最後の方にちゃんとわかるようになっていて、それがまた水島のかたくなな心を溶かすことになるわけで。

きっとこれからも2人がいればこのされた遺族に寄り添う素敵な葬儀をしてくれるんじゃないかと思わせてくれる作品でした。
馮美梅

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