真っ黒こげ太郎

ハッピー・デス・デイの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
4.8
今日も今日とてスラッシャー。
血みどろ目当てにスプラッター。

Let's、グロリンチョ!!!!!

ってアレ!?(既視感のある文章)



セクシー&ビッチな女子大生のツリーは自身の誕生日パーティ会場に向かっていたが、突如謎の仮面の殺人鬼に襲われ、殺されてしまう!!
しかし殺されたと思った瞬間に目を覚ましたツリーは、自分が誕生日を迎えた朝に巻き戻っていた事を知る。
その後、同じような日々を過ごし、殺人鬼に出会った場所とは違う道を選び、パーティ会場にたどり着くもまた殺され、また誕生日の朝に巻き戻ってしまう。

その後、色々な方法で生き延びようとするも、またしても殺されてしまうツリー。
ツリーは何度も生き返る事を利用して、犯人を探し出そうとするが…。



「誕生日に殺されて、また朝に巻き戻る」という時間のループに陥った女子大生が、ループから脱出する為に奮闘するスラッシャー・ホラー。

何故かあっちゃこっちゃで高評価で、話題になっていたスラッシャー物。
(監督は「ゾンビーワールドへようこそ」の人だったのか。)
例によって例の如くスプラッター映画熱が高くなっていたこともあって、続編と共にレンタル。

「今日もスプラッター観るぞー!」と意気込んで鑑賞しましたが…。


こいつぁ参った。

今作は…

血が全く出ない。
(包丁に血が付く程度)
勿論人体は欠損しない。
(そもそも死ぬ直前に暗転する。)
ついでにおっぱいも出ない。w
(ヒロイン(主人公)が一か所だけ素っ裸になるがw)


何時もなら「つかまされた!畜生め!!!」「エログロのないスラッシャーなんぞ何が面白ぇんじゃ!!!」「よくもだましたなァアアアア!!よくもボクをォ!だましたなァ!」という思いが出てくる所ですが、


でも今作は…

滅茶苦茶オモロかった!!!!


いや、エログロのないスラッシャー映画でも名作はあるし(「悪魔のいけにえ」とか「ハロウィン」とか)、ホラー映画でエログロがすべてではないのは分かるけどさ。
しかし、何と言うか、今まで「グロだ!エロだ!内臓だ!w」と叫んでた自分を改めるべきなのかもしれないな…。
(いや、今後もスプラッター映画は観るけどさ。)

つー訳で本作はスプラッターな場面は皆無。
あちこちでちょろっと血が出るくらいで、残酷描写は全くナシ!!!


しかし、それを補って余りあるぐらい、ストーリーや内容がめちゃんこに面白い。
お話は「毎回殺されてしまう主人公が、どうにかして殺されないように立ち回る」というお話、所謂最近のアニメとかでもよく見る(オイ)タイムループ物ですな。
今作はそのタイムループ物に殺人鬼に襲われるスラッシャー映画を上手く合わせ、生き残ろうとするヒロインがループの中で殺人鬼の正体を暴こうとする様を描いてゆく。


今作では「死ぬと戻る」というルールを徹底的に生かして、ヒロインが何度も死んで誕生日を繰り返しながら、殺そうとする相手の正体を探るドラマやサスペンス描写が良く出来ている。
同じ一日を繰り返す物語ながら、毎回違う展開を迎えるため飽きない。

最初はセクシー&ビッチで、どう転んでも殺され役みたいなヒロインが、ループを得て真面目に変わってゆき、応援したくなるキャラになってゆくのが良い。
また、ヒロインの素行が悪かったので恨まれる相手が多かったりして犯人探しが難航するのも上手い。

そんな盛り沢山な内容ながら要所要所でしっかりした青春ドラマやコメディ要素を程よい塩梅で盛り込んである。


ヒロインがループする理由が全く説明されなかったり、最後に明らかになる真相判明が少々急すぎる気がしたけど、あちこちの伏線がシッカリ回収され、最後も捻りの利いたラストでスッキリ。


ホラー要素は少な目だし、スプラッター見せ場は皆無なのでスラッシャー物としては物足りないかもしれませんが、秀逸なストーリーに加え、青春ドラマにホラ―にサスペンスを上手く融合させた、タイムループ物としての面白さがギュッと詰まった快作!!!!

話も分かりやすく面白いので、その手のホラーが苦手な人でも楽しめるでしょう。
多くの人にオススメだ!!!