タキ

クワイエット・プレイスのタキのネタバレレビュー・内容・結末

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ちゃんと昼食を食べて行ったのに胃が消化する収縮音がギュルルとなるのが聞こえるぐらい静かな部分が映画のほとんどを占めておりハラよ鳴るな…鳴るなよ…と緊張して余計ハラが鳴るという2倍の緊張を味わった。あとあんまりにも静かで逆に大声だしたくなる衝動にかられたのでこの世界ではアタシ生きられないな…とも思った。

以下大声出して言いたいことをざっとまとめる。
なぜあの状況下で子づくりしちゃったんだよーーーーーーー!!!
引っかかった袋を引っ張るなーーー!!
踏み抜いたクギ放置すんなー抜いとくか打ち付けとけーーー!!!


非常事態にはランプを赤くするとか花火をブチ上げてクリーチャーの気をそらすとかベッドマットでフタをした音の漏れない地下室を作っておくとか色々考えてるのはわかるけどそれにしても声を出さないようにはとてもできない赤ん坊をこの世界に迎える神経がどうにもわからない。

生活音や赤子の喃語とかクリーチャーが襲ってくるラインがわりとゆるくてツッコミどころもあったけどそのあたりはこちらもゆるーく見た方がよい。

手先は器用だが愛情の示し方が不器用で言葉足らずのために娘とうまくいかなくなっていた父親が聾者の娘のために高性能の補聴器を作り続け、それが結果的に妻や子どもたちを助ける道具になるというのは親子の物語としてはホッとするところだった。

それ以上にグッときたのは社会的な弱者であった聾者と出産直後の女がこの世界で一番の強者になるという結末。いやその直前で映画は終わってしまったんだけど、やったるで!感みなぎる顔でマイクを握りしめる娘と銃を構えるかーちゃんがめちゃくちゃカッコよかった。いままでのイライラ帳消し!
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