ゆりな

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のゆりなのレビュー・感想・評価

4.2
ディズニー・アーカイブス展行った帰りに観ることになるとは。ずっと泣きそうで、食い入るように観た、あっという間の120分。

アカデミー賞にノミネートされてずっと観ようと誓っていた作品、やっと観れた。感想は結論から言って素晴らしく、107の賞にノミネートされたのも納得。

この「プロジェクト」は安い団地の意味らしい。その名の通り、フロリダのディズニーワールドの近くにあるモーテルに暮らす母娘の話。
フィクションだけど、絶対にどこかに落ちている話。可愛いパステルカラーの世界観に離れたところから撮ったカメラワークは、昔のタランティーノの映画そのもの。久しぶりに見たけど、すごく良い。

基本的にはムーニーの子供目線。時々ママのメラニー、管理人、と3人の視線で描かれていて引き込まれる。「万引き家族」で花火の音だけで楽しむシーンがあるんだけど、本作もディズニーワールドの側だから花火はいつも上がるわけで。初めて管理人のウィレム・デフォーの目線に切り替わるとき、花火を後ろにタバコを吸うシーンが出てきて切ないのなんの。

びっくりのラスト、キャストの渾身の演技、アカデミー賞ノミネートのウィレム・デフォーの等身大。久しぶりに「映画を観た」と感じたし、胸がいっぱいになった。
ゆりな

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