通りすがりのナポリタン

ミスミソウの通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
3.4
原作が好きでやっと実写版鑑賞!血飛沫と静かな復讐が原作通りでとてもよかった。

東京から田舎の閉鎖的な街に引っ越してきた野咲春花はクラスメイトでボス的存在の小黒妙子達グループからいじめを受けていた。春花は家族に心配をかけまいと、卒業までの2ヶ月間、いじめを耐え抜くことを選んだ。しかし、クラスメイトの相葉晄だけは春花の味方をしており精神的に支えていた。そんなある日晄と春花が出かけに行った中、自宅が全焼し、両親は死亡、大好きな妹は全身に大火傷をおうという事件が起きてしまった・・・

登場人物の歪みと閉鎖的で暗い中学校という最悪な環境で起こる残酷で胸糞悪い事件、そして始まる血塗れな復讐劇、些細なことからこんなにも取り返しのつかないことが起こってしまうのだと怖かった。スプラッター的な描写は雪に血が生えて少し綺麗、そして春花が妙に美しい。中学生の多感な時期だからこその残酷な仕打ちなのかもしれない・・・冒頭からラストまで本当に胸糞悪いし救われなかった。(よくみんなここまで狂える)
少し原作と大きく違うシーンがあったが、実写版も違うバージョンのラストシーンという感じでよかった。実写版の方が残酷かも・・・?

登場人物達皆が歪みすぎ笑、先生も歪んでる笑誰にも言えない気持ちを抱えたまま狂気に走っていく登場人物達は気持ち悪くやけに潔い・・・春花役の山田杏奈は儚さと狂気が紙一重で美しかった。キーパーソンとなる佐山流美役の大塚れなは物凄いぶっ壊れっぷりで良い笑
そして、もう1人のキーパーソンである相葉晄役の清水尋也も原作通りな感じでよかった。

なんだか悲しくむくわれない余韻の残る映画でした。また原作読んでみよう・・・