トラウマ映画かと思い、観たいけど観るのが怖く臨んだ映画は『アンチクライスト』ぶり。
ところが、グロ泣ける映画に構成されていた…。
グロさは最初は確かに興味を引きつけるために使われていた。
しかし、ある時に「決闘の印」と変わる。
ある者たちの憧れの連鎖が起こす嫉妬。
そこから生まれる心底からの包丁とナイフの「決闘」。
その「血」で表現される痛みは彼女たちが実際に心で感じている痛みと同じだ。
その後も続く、「決闘」がもたらすグロさ。
嫉妬、復讐、憎しみ、いろんなものがその暴力と傷の中に込められている。
白い雪の中でより強調されるのが印象的。
そして、話はただのイジメから家族殺しをされた女の子のグロ復讐劇では終わらない。
真の元凶であったイジメっ子の真相と
元々のイジメられっ子が行った真相が明るみになることで、
ただのグロ映画から、心がじんわり暖かくなる映画へと変わる。
映画は家族が焼き殺されるまでの過程と
その後の復讐をする過程が交互に描かれる。
だから、映画の終盤まで事件の真相、
そして、上に述べた彼女たちの真相はわからない。
だからこそ、その2人の真相が分かった時に、
その2人の思いが重なり、
どうしようもなさに切なくなる。
「どうしてこんななっちゃったんだろう」
終盤に主人公が口にするが、
元凶と元いじめられっ子がその疑問を自問自答していると思う。
そして、さらなる決闘が繰り広げられた先に、
まさかのラストが待っている。
このラストに残った人物がこれからどう生きていくのか、
そんなことをじんわり感じさせてくれる。
グロ泣ける映画、ここに誕生。