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スリー・ビルボードのkuuのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.8
『スリー・ビルボード』
娘を殺害されちまった母ちゃんがポリスを批判する看板を設置したことから、思わぬ事件が起こるクライムサスペンス。
娘さんを失っちまった母ちゃんをオスカー女優のフランシス・マクドーマンドが演じる。
ミズーリ州の田舎町。
7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できひんポリスにムカつき、ポリスを批判する3枚の広告看板(Three Billboards)を設置する。彼女は、ポリス署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬しとる彼の部下や町の人々にビビらされても、頑固なまでも屈しひんかった。
やがて事態は思わぬ方へ。。。
てな感じっす。
この作品てのの行動の動機となるんは、沸々と煮えくり返って、ほんでもって燃え盛る激憤や。
そこにや娘さんがレイプされ殺られて、独り残されちまった母親ミルドレッド・ ヘイズ (フランス・マクドーマンドの滅茶苦茶ええ演技の1つかな)の激憤がある。
彼女は地元のポリスが調べを諦めたと考えとる (『Blackを拷問するので忙しいからさ』なんて彼女は手厳しいコメントしてる)。
彼女は、ポリスを動かすために、
弾劾の言葉を書いた広告板 (ビルボード) を立てよる。
彼女と同じような激憤を持ち、加えて激しい暴力に出るんは、彼女の敵となるポリスのディクソン (サム・ロックウェル)。
彼は酔っぱらいで、マザコンの人種差別者で偏屈者やった。
このふたりのあいだに挟まれたのは、良心と末期癌にむポリス署長ウィロビー (ウディ・ハレルソン)。
一見殺人ミステリーに見えっかもしれへんがそうじゃない。
ポリスストーリーモンでもない。
物語の最後まで、ミルドレッドの問いかけにや答えがあらへんまま。
視聴者からしたら、 味方する対象てのが絶えず予測できひんほどに変わる。 えらいキツ~ぅて執念深く、時にや頭がイカれてもたようなミルドレッドは、哀しむべき犠牲者とは程遠いし、ディクソンのほうは、性格がもっとも激しく変化する。
当初思ったよりも憎たらしい奴じゃないことが観進めてわかってくる。
脚本は寒々ブルブルとしてキツい会話に毒あるユーモアを巧く絡ませてた。 ミルドレッドが司祭について舐めとる言葉を云い放つとこはハッとしたほど天晴れやった。
巧く捉えとる小さな町の雰囲気 (ノース・カ ロライナ州シルヴァで撮影された)と、よ~練られとる演技は、映画を感動的にさせたかな。
絶望するにはちゃんちゃら笑えるし、気を緩めるにや予測不可能。
気軽に反応すんのは申し訳なさがのこるこの映画てのは、
ランボーのサバイバルナイフの刃のような😀
際どさで雄弁と抑制を混ぜ合わせるのに成功してるんちゃうかな。
kuu

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