ひこくろ

弱虫ペダル Re:GENERATIONのひこくろのレビュー・感想・評価

弱虫ペダル Re:GENERATION(2017年製作の映画)
4.1
相変らず編集が抜群に上手いなあと思った。
テレビアニメを見ていたファンを喜ばせたい。でも、初めて観る人を切り捨てたくもない。
そんな製作者の思いがひしひしと伝わってくる。
今回のテーマは、世代交代と凡人の戦い。
そのために不必要なエピソードは、バッサリと捨てられている。
それが、テーマをより色濃く見せていて、総集編感を感じさせない。

これまでは才能を持った人たちのぶつかり合い、というヒーローもののような感じが強かったが、手嶋という才能のない人をメインに据えたことで、物語は変質し、誰もが共感できるようにもなったと感じた。
「凡人が天才に勝つことだってある」と言い切る手嶋は、自分が何も持っていないことを十分にわかりきっている。
だからこそ必死に努力するし、無様なくらいに足掻いて天才に挑む。
現実はとても残酷で、手嶋はヒーローにはなれない。でも、彼の姿は強烈に胸を打つ。
物語的にはそんなに重要ではない杉元のエピソードを残したことで、余計に凡人の戦いの意味合いが強まっているとも思った。
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