ソン・ガンボ演じるタクシー運転手がお金欲しさに引き受けた仕事は韓国の闇に触れるものだった…
実話ベースのドラマ。
韓国の軍部が市民と激突したものの徹底的た情報統制でなかったことしていたところ、潜り込んだジャーナリストによる決死の取材で暴かれた、というもの。
ソン・ガンボは本当に演技がうまい。警官や、貧相な暮らしの家族の大黒柱などやらせたらそうとしか見えないまさにカメレオン俳優。今回も少し人の良いタクシー運転手そのもの。笑顔も狂気を孕んだ顔もどっちもできるなんて…日本なら誰だろう、佐藤二朗?ちょいコメディ寄りすぎるか…?
何はともあれ、彼がジャーナリストを現地に送る。自分は帰るつもりだったのに連れ回る結果になり、街の惨状を目にする。ここの衝撃度は確かにあったがもう少しパンチがあった方がよかったかなぁ…
同じような、出られない場所に行くという意味ではアルゴに似てるけど、そっちの方が緊迫感の演出はうまかったと思う。
しかしそこからがこの作品の本領。
惨状を知った上でどう行動するか。
なんとかしてあげたい良心と、これ以上足を踏み入れたら戻ってこれないんじゃないかという危機感。板挟みの中で苦悩する彼の姿はハラハラドキドキ。
タクシードライバー同士の友情もあるけど後半のあの展開は流石に脚色か?すごく感動的だけどちょっと脚色がクサいと感じてしまった。
しかし実話は実話。
ペンは剣よりも強し、というメッセージを強く打ち出す作品だった。
観たのは去年だけどレビューは本当にたまたま今日。
こんな作品のレビューを書いていたらまさに海の向こうで悲惨な状況が現実になってしまった。
日本だって隣国と言えば隣国。
ペンは剣よりも強し、をなんとかしてほしい。いやマジで…
慣用句、調べたら言論は武力に勝るの意味ではなく、最初は格上の人が書状にサインさえすれば下のものはどうにでもなる、という意味合いだったらしく、今の使われ方とは全く逆だしそれってまさに…
いや今の使われ方でどうにかなってほしいよ…切実に…