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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のwoosのレビュー・感想・評価

4.4
シネマート新宿にて字幕版を鑑賞。
2018年新作劇場鑑賞39作目。
客席は満席っていうか立ち見も発生。
テーマ「最後に残った何か」

[全体として]
自分が生まれたくらいの頃の韓国では、大変な事が起こっていたんだな。(幼児並みの文章)
1980年、軍事政権下の韓国全羅道光州市で本当にあった事件をソウルのタクシードライバーとドイツ人ジャーナリストの視点から語る映画。
先ずそんな時代なので、当事者以外の韓国人は光州市がどえらい軍による弾圧を受けているという事を全く知らない。
今だったらSNSがあるので一発で世界中に伝わってしまうが、そんな物はない。
家賃が払えない主人公は、ノコノコ美味しい話に乗ってドイツ人ジャーナリストを光州市に連れていくんである。
そこから笑いあり涙あり、そして本当に怖いなど、映画における喜怒哀楽が全て体験出来る傑作だった。

[良かったところ]
話の構成がシンプルで、尚且つ行動原理が全て分かりやすくてとても観やすい。
臆病もので、調子乗りだけど優しい主人公のタクシードライバーを演じたソン・ガンホの演技は最高だった。そして、その臆病者が最後に残った何かを振り絞って行動するシーンは涙腺決壊、、、になりそうだったのだが隣の席の人が引くぐらい泣いていたので、自分は消化不良。まあ自分の分まで泣いて貰ったと思おう。
まあ、出てくる人みんないい仕事をしていたと思う。
あと、暴動とそれを鎮圧する軍の迫力も凄くて、年始に観たデトロイトと比べても見劣りしない迫力だった。
カーチェイスシーンも(これはフィクションだろうが)めちゃくちゃアガる展開だった。
音楽も仄々としたシーンは孤独のグルメ風の音楽が流れていてよかったし、音楽の使い方が上手かったと思う。

[気になったところ]
アイツらはどうなったんだろう?
光州市の人々のその後も見せて欲しかった。

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さすが町山さんがラジオで今年No.1と紹介しているだけのことはありました。
オススメです!
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