勝ったのは農民だ

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜の勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今作の評判はよく聞いていたのでどのみち観る予定でしたけど、『イコライザー2』に引き続き、これまたタクシー運転手が主人公の映画を見ました。

ただ事前情報として結構ヘビーな内容の映画だと聞いていたので、映画序盤の呑気でコメディ的なノリは面食らいました。


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冒頭数分でソン・ガンホさん演じる主人公の「社会のしわ寄せをもろに受けている、悪人じゃないけど無力な小市民ぶり」がすぐ理解できます。
可哀想でもありますが、同時に図々しくて嫌な奴にも見えかねないキャラクターなんですが、何故か憎めない愛嬌があるように感じました。でも基本的にはどこにでもいそうな顔の俳優さんだと思います。
韓国でもおそらく2万人ぐらいいそうなイメージの風貌です。🇰🇷



それとサイドミラーを壊す件とか、デモ活動で全然関係ない市井の人達を巻き込んでいるのは本当に良くないと思います。💢
その考え方は、この映画の鑑賞前後でも変わりません。
(『イコライザー2』でも、戦闘により無関係な一般人の車が地味に傷ついているのが正直、気になりました。ロバート・マッコールさんには罪はありませんが…)


でも徐々に物語が進むにつれて、デモ活動の若者にも十分に感情移入していきました。
あと劇中の事件に関して、1980年ですから思っていた以上に、つい最近の事件だったんですね。
韓国政府の権力が恐ろしいです。


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あと食事のシーンが好きです。
キムチを辛そうに食べるシーンも好きですし、何よりおにぎりでジーンとくるとは思いませんでした。
個人的には最近コンビニ以外でおにぎりを食べてうまいって感じることがなかったので、また久しぶりに食べたくなりました。🍙


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結論を言うと、突っ込みどころはありますけど、これは観てよかったです。♨️
泣きはしませんでしたけど、確実に心に残る映画だと思います。😢

「弱者を守るためにダメ親父が頑張る話」って言う意味でもスピルバーグ監督の映画みたいだなぁと思います。
具体的な事は言いませんが、自分の大好きな『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』や『ブリッジ・オブ・スパイ』を連想しました。


ただ『ペンタゴン・ペーパーズ』や『ブリッジ・オブ・スパイ』以上にエンターテイメント性を重視した印象です。
正直、終盤のある展開は「え?なんでそうなるの?」って違和感を感じました。
映画評論家の町山智浩さんは「その嘘も好きだ」って言ってましたが、自分はそのくだりが無ければもっと好きな作品になってたと思います。

「弱者が勇気を振り絞って利他的な行動をとる」ってのは、本来は自分の大好物なんですけど、フィクションに寄りすぎました。
ただあの後、彼らがどうなったのか、自分は気がかりでなりません。😥


ただ自分は今まで観てきた韓国映画はせいぜい10本程度だと思うので、正直、韓国映画にはそんなに明るくありません。

だから韓国映画をたくさん観ている人に言わせるともっと良作がたくさんあるのかもしれませんが、自分が観てきた中ではベスト級に好きです。🇰🇷