すいか

泣き虫しょったんの奇跡のすいかのレビュー・感想・評価

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)
3.6
将棋の知識は皆無。
ここ最近将棋を描いた作品がポツポツあったが、観てこなかったので、観てみた。将棋がわからなくても楽しめた!

しかし、なんと厳しい世界なのか。
本作では、プロ、すなわち四段昇格を目指す三段リーグが主な舞台なのであるが、実力があってもなかなか勝てない。迫る年齢制限というどうにもできないリミット…残酷だった。年齢制限ほど厳しいものってないと思う。
才能があると周囲から言われ続けて、でもプロになれなかった瀬川晶司さん。小学生から熱中してきた将棋、追いかけてきたプロという夢。その夢が叶わないという事実を突きつけられたときの思いを想像するだけで、しんどくなった。

特例でプロを目指さないかと打診されたとき、瀬川さんは、自分も通った奨励会の道を思い、それは、許されないでしょうと言う。確かにそうだ。でも、彼は、批判を受け入れ偶然の出会いから拓けた道を、進んだ。決して自分のためではなくて、自分を支えた人たちのために、決断したのだろうな。すごい。
古くからの伝統を守ることと、柔軟な対応のバランスって、難しいことだ。でも、この特例は、一般的感覚で言うと、才能がある人には道があるということを示した、夢のあるものだと思う。
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