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ザ・シークレットマンのkuuのレビュー・感想・評価

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)
3.2
『ザ・シークレットマン』
映倫区分G.
原題Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House.
製作年2017年。上映時間103分。

『ウォーターゲート事件』の全容と事件を内部告発したFBI副長官の姿を、リーアム・ニーソン主演で実話をもとに映画化した米国サスペンスドラマ。

米国合衆国史上初めて任期半ばで辞任に追い込まれたリチャード・ニクソン大統領。
その引き金となったウォーターゲート事件の捜査の指揮にあたったFBI副長官マーク・フェルトは、なかなか進展しない捜査の裏にホワイトハウスが捜査妨害をしていることを察知し、事件自体がホワイトハウスの陰謀によるものであることを悟る。
大統領に忠実なL・パトリック・グレイFBI長官に捜査協力が期待できない中、フェルトは事件の真相を明るみにするため、大胆な決断をする。


主人公のマーク・フェルト(リーアム・ニーソン)は、ワシントンポストの記者に重要な情報を伝えたFBI捜査官。
これにより、ウォーターゲート事件が発覚して、最終的にリチャード・ニクソン大統領が辞任するに至った前代未聞の出来事。
この米国史上最も悪名高い内部告発者は、長い間、ディープ・スロートちゅうペンネームでしか知られておらへんで、マーク・フェルトの正体は、ニクソンの死から11年後に自叙伝で初めて明かされたそうです。
真実は小説よりも奇なり。
ちゅう言葉があるよう、今作品は完璧なポリティカル・スリラーと云えるかな。
ダイアン・レイン、マイケル・C・ホール、トム・サイズモア、ブルース・グリーンウッドとかの俳優陣に加え、リーアム・ニーソンが巧い演技力を発揮しているけど、正直、彼らの演技は興味をそそるものではあるけど、この伝記ドラマの中じゃ、全員が間違った方向に進んでしまっているように感じる。
今作品は、テレビのミニシリーズとして制作したほうがよかったかもしれへんかな。
ホワイトハウスがいかにしてスキャンダルを隠蔽しようとしたかとか、急ぎ足で淡々と語っているだけに感じるかな。
また、ニクソン大統領が退陣するまでの緊張感や勢いも、主にフェルトが演じた役の重さを確立できていないためか、非常に不足しているようやった。
ニーソンは、フェルトの私生活を知ることで、彼の動機を明らかにし、感情的な重みを出そうと努力している。
せや、彼の家族とのシーンは淡々としていて味気がないし、彼の思考過程との間に隔たりが生じてた。
オードリー・フェルト役のダイアン・レインは特に活かされておらず、他のキャストはそれぞれの役を孤独に演じているように見えてしまった。
また、色調が一貫して暗く陰鬱であることも助けになってへんかな。
恐怖感を与えるためのモンやとは思うが、結局は退屈なものに一線を越えてしまっているかな。
ゆっくりとした、慎重なペース配分に問題はないけぉ、103分の上映時間が長く感じられるのは、今作品の惹きつけ方に問題があると思いました。
機会損失の典型的な定義と云えるかな。
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