
『デーヴD』(2009)や『血の抗争』(2012)など、ユニークな作風で知られる注目の監督、アヌラーグ・カシャップの2017年の作品。ボクシング選手が主人公のスポーツ映画だが、地方にはびこる権威主義やカースト差別に切り込んだ意欲作である。実在の人物の物語をベースに、ノン・スターで描かれるインド社会の闇は、異様な迫力を持って見る者に迫る。主人公のボクサー役ヴィニート・クマール・シンがインド版の批評家が選ぶ映画賞2019で主演男優賞に輝いたほか、本作がデビューの女優ゾーヤー・フセインも、2018年のジャーグラン映画祭で主演女優賞を獲得した。北インド、ウッタル・プラデーシュ州の町バレーリー。シュラヴァンはボクサーになるべく、地元の有力者で州ボクシング連盟会長バグワン・ミシュラのもとで訓練を重ねていた。ミシュラの屋敷で雑用をさせられる毎日に嫌気がさしていたシュラヴァンだが、ミシュラの姪スナイナを知り、恋心を抱く。スナイナは生まれつき音声を発せられない障害を持つものの、聡明で美しい女性だった。自分をつぶそうとするミシュラから逃れ、バナーラスに赴いたシュラヴァンは、サンジャイ・クマールという新しい指導者と出会うが…。
不可触民ながら音楽の才能を持つ青年がムリダンガム(インドの打楽器)の修行に励むが、妨害にあって放浪の旅に出る。 A・R・ラフマーン(『スラムドッグ$ミリオネア』)が作曲を担当したインド音楽…
>>続きを読む花形サッカー選手だったマイケルは、友人に代わり女子サッカー州代表チームの監督となり、全国大会に進出する。女性のエンパワーメント をテーマに据える一方、ヴィジャイのダンス、アクション、一人二…
>>続きを読む政府高官に手腕を見込まれ、ムンバイ市警察長官に就任したアーディティヤ・アルナーチャラム(ラジニカーント)。最愛の娘ヴァッリ(ニヴェーダ・トーマス)とともに赴任したが、ムンバイでは麻薬がはび…
>>続きを読む弁護士を目指し法科大学に進学したパリエルム・ペルマール。ダリト(不可触民)出身の彼は、仲良くなった女子学生の親族から激しい差別を受ける。インド社会の暗部であるカースト問題を、圧倒的 なリア…
>>続きを読む人里離れた深い森で、野生のゾウの群れを見守りながら暮らすミトラナンダン。この男を人々は敬意を表して“森の神”と呼んだ。ある日、役人の後ろ盾を得た巨大企業が森を占拠し、リゾート施設の開発を始…
>>続きを読む1980 年代半ばのアーンドラ・プラデーシュ州中部、ゴーダーヴァリ川沿岸の田園地帯、ランガスタラム村。チッティ・バーブ(ラーム・チャラン)は、モーターを使って田畑に水を送り込むことを生業に…
>>続きを読むカールティック・サブラージをプロデューサーに迎え、逆境力と勇気を描く「アムー ~負けない心~」。おとぎ話のように始まった幸せな結婚生活は、夫で警察官のラビがアムーに暴力をふるったことをきっ…
>>続きを読む