世界はリズムで満ちているの作品情報・感想・評価

「世界はリズムで満ちている」に投稿された感想・評価

ダリット(不可触民)の青年がムリダンガムという打楽器に魅了され、一人の奏者として認めてもらおうと奮闘する物語。
この映画は普通に観ても娯楽性が高くて面白いんだけど、少しインド的知識があるほうが楽しめる気がしたから書いておく。

主人公はヴィジャイの熱狂的ファンで、実際にタミルナードゥ州では公開初日の劇場ではあれ以上のお祭り騒ぎになっている。『Mersal』という大作映画と同時期だったため、劇中騒いでたのはその作品。更に主演の人は実際にヴィジャイのファンな上に『Mersal』の劇中歌を一曲歌っている。
本作でも音楽はARラフマーンが担当してるんだけど、何と主演のGVプラカーシュはラフマーンの甥っ子。
ヴィジャイファンなら冒頭はかなり楽しくて最高の気持ちになる。

本来、ダリットは楽器を作っても奏者として活躍は出来ず、カースト上位が占めていた。
主人公の先生はバラモン(カーストで最も高い地位)なのだが、ダリットと師弟関係になるなんぞまず難しいだろう。
つまり本作は娯楽性の中に、カーストを超えた師弟の絆と、バラモン至上主義への批判が為されている。

SNS大好きなインドでは近年SNS拡散して注目浴びる展開が多いのが残念な点の気もしたけど、古い考えから脱却して次世代に注目を浴びさせるには仕方ないのかな。
020/192作品目
□物 語 ★★★★★ ★★
□配 役 ★★★★★ ★★
□演 出 ★★★★★ ★★
・テ ン ポ ☆☆☆☆☆ ☆☆
・喜怒哀楽 ☆☆☆☆☆ ☆☆
・ドキドキ ☆☆☆☆☆ ☆☆
・雰 囲 気 ☆☆☆☆☆ ☆☆
・エンディング ☆☆☆☆☆ ☆☆
□映 像 ★★★★★ ★★
□音 楽 ★★★★★ ★★★★
音楽、映像、映画の醍醐味を存分に楽しませてもらった感じです。
ドラマチックでとっても楽しかったです。

太鼓職人の息子が真のアーティスト、楽器奏者になっていく成長物語。

インドの多様な民族の伝統音楽を交えながら、色彩豊かな衣装も美しく、多民族国家のインドの広さ奥行きが垣間見られて、豊かな気持ちになれました。素晴らしかったです。

主人公の友達が皆いい人ばかりで、基本、根っからの悪人が出てこないヒューマンドラマです。

背景として、カースト制度の最下層の人々の痛みが描かれていました。
差別するとメディアや市民運動として問題になることも。
ただ、社会問題として描いたというよりも、民族の誇り、情熱の源泉として描いたようにみえました。


最初はむさ苦しい男性達のダンスばかりで、あーちょっと違ったかも二時間はつらい…と思ったのですが、さにあらず。
いわゆるダンス中心のインド映画ではありませんでした。

素敵な素敵ないい映画でした。
楽しかった~
さな

さなの感想・評価

4.0
東京国際映画祭にて。ムリダンガムに魅せられた青年が一人前の奏者を目指す物語。音楽の師弟関係という点では『セッション』を思い出してしまう。
主人公が新しい音、リズムを求めて各地を放浪するが、それが結果的に独自性のある演奏へと繋がる。ただ習ったように型にはまった演奏をするのではなく、伝統を重んじつつも自分なりの「音」「リズム」を追求し、解釈があってこそ、人を感動させる演奏ができるのかもしれない。私自身が音楽を生業としているのもあってそういった点で非常に共感した。インド映画ならではの歌ありダンスあり。ハッピーになれる作品だ。
2018年の東京国際映画祭にて出会った作品。もう1度観たい!日本で上映してくれー!!と願うもいまだ叶わず。。
そしたらなんと、"なんどり"さんが日本語字幕を付けてDVD発売してくれたおかげでやっと再会できました。
やっぱりとても素敵な作品。音楽の情熱と愛が詰まっていて、カースト制度の壁にぶつかりながらも、ムリダンガムに夢中になるピーターの姿には何度も胸を打たれました。
いろいろな民族や伝統楽器が見られるところも良いです。
映画祭の時はインド版「セッション」と言われたけど、それより師弟愛の絆も見られてもっと爽やかな気分になれると思います。
magnolia

magnoliaの感想・評価

5.0
人の感情は根源的にリズムを持っている
いかに邪心なく自分をのぞき込むか、それは開放であり前進であり、人が巻き込まれたくなるグルーヴを生む

打楽器って本当に人に力強い一体感を作り出す!体で感じるものだから
このあらゆる境界を越えた繋がりをもたらす力は、他の楽器の比ではない、としみじみ思った
そして世の中にはなんとまぁ、本当に多様な楽器があること、驚いた!初見の楽器をいくつも見てその音を聞くことができて嬉しかった

rhythm everywhere, rhythm every moment
Tsu

Tsuの感想・評価

3.8
東京国際映画祭にて!

ストーリーは分かりやすい、
身分の低い少年の成長ストーリー。

しかしインド特有の文化がよりドラマチックにしてくれます。

主人公は楽器職人の息子。インドのカーストでは楽器職人の一族は不可触民となる。不可触民は寺院には入れないのだが、偶然寺院に楽器を届けに行った際に観た古典音楽の演奏に魅入られ、自分も演奏者になることを志す。しかし身分の差が彼の夢を阻む…。

インドの古典音楽の重厚な雰囲気、
冒頭のボリウッドらしいダンスシーン、
カースト制度、
インドを存分に味わえ、そしてラストは
心温まる映画でした。
MALPASO

MALPASOの感想・評価

3.7
インド映画
@東京国際映画祭。

天才的な音楽の才能を持つカースト制度のダリットに生まれた青年が、ムリダンガムという南インド独特の打楽器の巨匠に弟子入りするが・・・。

年老いた師匠と弟子。そして、彼の存在をよく思わないライバルたち。インドの音楽版「ベストキッド」。

単純でわかりやすく面白かった。

クライマックスはオーディション番組というあたりは現代的で、伝統の継承を描く。師匠と弟子、父と息子が同時に描かれる。

インドの映画館は、入口がいくつかに分かれている。表向きは値段の違いだけど、映画館がそうであるように、今もカースト根強く残っている。この映画で描かれる楽器作りと演奏者の違い。表面だけ見ていると世界は知らないことばかりだ。

実際にラヴィ・シャンカールとも共演した名手ザキール・フセインのムリダンガム演奏は神業!彼の驚愕の演奏テクニックはYOUTUBEで見られます。

このレビューはネタバレを含みます

TIFFにて。南インドの映画。
ムリダンガムという打楽器職人ジョンソン (クマラヴェール) の息子である主人公ピーター (G.V.プラカーシュ・クマール) が、将来を決める年齢になった時、作るのではなく、ムリダンガム演奏者になりたいと、親の反対を押し切って名手アイヤル (ネドゥムディ・ヴェーヌ) に弟子入りをするも、他の弟子の妨害で破門になってしまう。そこから巻き返しなるか?というストーリーなのだが、個人的に『バーフバリ』ブームの影響が強すぎて、この映画にもマサラ的な期待をしてしまい、歌って踊るシーンは有るものの、ヒューマンストーリー性が高く、意外に真摯な内容だったことに驚いた。
いや(笑)、中々、面白かったんですよ!
勧善懲悪、順風満帆にはいかない主人公、可愛いヒロイン…と、お決まりはちゃんと押さえてます。爆笑するかと思ってたのに、感動する話だったんです。映画に対して申し訳ない…。

インドだなぁ〜と思うのは、カースト制度の話が絡んだり、土着のルールがあったり、家族の繋がりを重んじる所です。どんなに才能に秀でていたとしても、出身地や身分によって、行ける学校や就ける職業に差異があって、出来ることに限られてしまうのです。現代映画であるこの作品に度肝を抜かれたのは、今どきのオーディション番組があって、そこで優勝をすると、国立音大への切符が貰えるということ。カーストも下方の主人公が古典楽器であるムリダンガムを武器に、機械的効果音とポップでサイケデリックな演出の番組に出場して、社会に挑戦しようというのが、この作品の醍醐味シーンになります。お〜。夢がある!

音楽には差別がないということ、万人が自分のビートを持っているということ、反骨心が人の心も未来も変えること、などなど沢山のメッセージがあって素敵な作品でした。


余談ですがネタバレ。
ラストシーンで、アイヤルが子供を抱いていました。誰の子?と私も思いました。QAにて判明。アイヤルの孫だそうです。アイヤルには息子が居るが、息子はカーストも出身地も違う女性と恋に落ち、結婚を反対されて駆け落ちをしたんだそうな。アイヤルが子供を抱いていることで和解を示したシーンであり、その隣には息子の嫁が並んで座っているとの解説。「最初の編集では入れていたんだけど、冗長すぎるので最終版ではカットした」とのことでした。
インド映画、やっぱり長いわ…(笑)。
R

Rの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

2018年東京国際映画祭にて。インドの伝統楽器ムリダンガムにのめり込んでいく青年を描いた映画。青年は不可触民と呼ばれるカーストに属するが、カーストの壁を越えて音楽を演じる立場としても活躍する若者が増えて欲しいと言う監督の思いも思っているよう。
>|