偽名祐司

ジョン・ウィック:パラベラムの偽名祐司のレビュー・感想・評価

3.0
公式の病気というか悪ふざけが最高潮なジョンウィックシリーズ第三作。
前半最高、後半失速。ある意味1の悪い所が全部出てるなんとも評価しがたいガンアクション。

話はアプリ参照で。
2作目の死闘の結果。暗殺者の裏世界から抹殺指令を受けたジョンウィック。一時間の猶予を与えられ走り始めた彼はどこへ向かうのか。

前半ありとあらゆる暗殺者から逃げながら戦う雨のNY編が最高です。
公式の悪ふざけも最高潮な「ガン・フー」(銃とカンフーを組み合わせた設定)がさらに悪乗りして帰ってきてます。
ミュージアムに展示してあるナイフを投げまくる「ナイ・フー」
図書館の本を利用して殴り戦う「本(ホン)・フー」
馬と戦い、馬に乗り銃を撃つ「馬(マー)・フー」
共闘するハルベリーが魅せる犬と連携する「ドック・フー」
きっぱり言うが日本語にすらなってないし、響きさえそれっぽかったらOKで頭悪すぎます。公式が酔っ払って決めた感じ全開でいいぞ、最高だ!

これら全てのアクションが良い意味で中二病全開で面白く、無駄に格好良い。
安定のヘッドショットアクションや、水中内のガンアクション、リロード芸もあり、アクション関係は本当に良い。

また少し過去の情報を引き出してきて謎のチケット制度や、前作の血の契約を使い、カサブランカまで逃げ延び、逃亡からの反撃の兆しを見せる前半。色々と世界が広がりワクワクします。

砂漠をスーツで彷徨い、遂にテーブルのトップたる王に出会う事に成功する。

…ここで終わるか死んでおくかすればよかったのですが…

コンチネンタルと共闘する後半戦が一気に個人的には失速でした。
既視感があるホテルライト、ガンスミスに選んだ武器じゃ火力が足りずに慌てて戻る。
アーマー部隊に銃が効きにくいというのは解りますが、ジョンならそこは関節技やら人体破壊技と組み合わせた銃撃でさっくりやると思ったのですが、前作同様のガンフー+ヘッドショットで必死に頑張るだけなのが微妙です。
追い詰められているという表現なのかもしれませんが、あまりそういうのは観たくなかったのです。

だって前半で「世界中の殺し屋VSジョン」で「5分5分だな」とまで評される程なのに。そんなたかだか少し防弾すぐれたSWAT部隊に苦労してるジョンなど観たくなかったのでした。この辺は私の期待値が上がりすぎたのかもしれませんが。

そして暗殺集団との戦い、ガラス張りとエフェクト聞いた場所での戦い、完全に2作目の二度ネタにしかみえず、「またかよ」と思いました。
とりあえず銃へのカウンターで刀→日本人→残念アジアの発想はいい加減どうにかしてもらえないでしょうか?きゃりーぱみゅぱみゅ使えば良いってわけじゃないよ?面白いけど!

そして何より話の展開がグダグダだったのが残念というか。やってる話は結局1作目と2作目と同じ話を繰り返し、拡大しただけになってる上にジョンの意思が一本筋が入ってるように見えず、確固たる意志が見えにくいのです。
一応はなんだかんだあって2作目の途中部分に話的には戻って終わるという。広がりが無いというか引き伸ばし感が酷いというか。
1作目から2作目の一気呵成の設定や字幕ネタ等の展開の広げ方が非常に気持ちよかっただけに個人的には後半の展開は観てて辛かったです。

途中でチラ出したバレリーナさんでスピンオフも予定あるらしいそうですが。本編は流石に次回作で決着かと思います。
後半の話の展開以外は本当に満点なのでガンアクション好き、中二アクション好きには文句なくお勧めできます。
偽名祐司

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