東京キネマ

ジョン・ウィック:パラベラムの東京キネマのレビュー・感想・評価

3.0
全く前振りなしのドピーク・アクションからのアクセル全開スタート。何がなんだか分からないというか、『ジョン・ウィック2』の続きなんだと気付けば、ああそうなのかとはなりますが、初めて観た人だと訳が分からないでしょう。というより、前作からは2年も経っているので、直ぐに乗れる人だって少ない筈だとは思うんですが、何しろ監督のチャド・スタエルシキは格闘家上がりのスタントマン出身。前作2本も大ヒットとあって、“これが見たいんだろ?”感バリバリのマウンティングです。

アクションは最高に格好いいし、撮影も素晴らしくて、惚れ惚れするほどのスピーディな展開なのですが、ドラマ的な誘引も葛藤も殆どなく、ただただ脊髄反射的なアクションの連続なので、最早30分くらいでツーマッチです。1がロシアン・マフィアで、2がイタリアン・マフィアだったら、3作目は忖度なしにチャイニーズ・マフィアにいって欲しかったんですが、監督は根性なしでした。日本のヤクザです。それもそのまんまヤクザをやるとなんか問題があるのか、「平家」という店名のカウンター寿司屋の親父。流れる音楽はきゃりーぱみゅぱみゅ。出てくるネタは活き造りのフグならぬ、生きたまんまのフグを下駄にドカン!なんだかなあ〜(笑)

黒澤明フリークを公言している監督だったら、もちょっとディティールを作り込んで欲しいもんです。まずね、ジョン・ウィックは謝罪なんかしちゃいけません。命乞いをしたらそれは武士じゃありませんよ。それにですよ、指詰めは良いにしても、忠誠心を示せ、で指切るなんてこともあり得ません。ザル過ぎです。既に4作目も決まってるらしいんで、だったら余計に延命図らなくっても良かったじゃん、とは思うんですが。

話変わって、どうでもいい話なんですが、復活したローレンス・フィッシュバーンが飲んでいるのがファンタ・オレンジ。これまた監督のジャパン・ラブの小道具なのかと思ったのですが、ファンタってアメリカでも売ってるんですよね。私も勘違いしてたんですが、実はファンタってドイツのコカ・コーラが戦前に開発した商品なんです。何故か、日本の飲み物だと思ってる人多くないですか? 私だけなのかなあ。。。まあ、どうでもいい話ですが。
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