たけちゃん

ターミネーター ニュー・フェイトのたけちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
彼女は私だから……


ティム・ミラー監督 2019年製作
ジェームズ・キャメロン製作総指揮
主演アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン


遅くなりました( ̄^ ̄ゞ
今頃ですが、レビューです。

いや、初日に観てたんですよ。
それに加え、4DXでも観てるんです。
でも、レビューは後回しで……。



それにしても、賛否両論ですねぇ。
いや、否の方が多いのかな?
まぁ、スコア観てもらうと分かりますが、僕は満点です(笑)。そもそも娯楽に甘いたけちゃんなので、みなさんも驚かないでしょうけど……( ¯−¯ )フッ

でも、やっぱり一言物申したい!
と言うことで、今回は今作の擁護レビュー( •̀ω•́ )و✧
ネタバレ含みますので、悪しからずm(_ _)m






さて、映画です。
ご存知の通り、今作の立ち位置はT1、T2の正当なる続編との触れ込みで、3作目以降を無かったことにしています。

個人的にはターミネーターが出る作品はみんな好きなので、無かったことにされるのは賛成できないんだけど、その意味は理解できます。その辺を語りましょう。


【正当な続編問題】
僕は、この正当な続編なる表現に一定の評価というか、納得しています。
と言うのも、僕は「ターミネーター」って、シュワちゃんのターミネーターという存在以上に、サラ・コナーのお話だと思っているからです。

そもそもT1は、スカイネットが未来から反乱軍のリーダーであるジョン・コナーを、その存在から無くしてしまうためにジョンを産む前のサラ・コナー抹殺を計ってターミネーターを送り込む作品でした。
まだ、可愛いウェートレスだったサラが、カイル・リースとの逃亡を通し、戦う決意をするまでのストーリーとも言えます。護られる存在から護る存在へと変わるサラが見られました。

T2は、いつか再び来るであろう未来からの新たなターミネーターに備え、鍛え上げた戦士となったサラが登場します。
その人生の全てをかけ、息子ジョンの命を護り、未来に備えた強い母の姿は壮絶でした!
スカイネットが新型のT1000を、ジョン・コナー自らがT800を送るという話が秀逸でしたね!

そう、ターミネーターシリーズとはサラ・コナーの人生のことなんです。


そう考えるとT3は、サラが既に亡くなってしまった世界で、残されたジョンのストーリーでした。
T4は先日レビューしましたが、"Salvation"というタイトルの如く、登場するマーカスの救済のストーリーで、これはもうサイドストーリーであり、スピンオフでした。

まだレビューしていない「ジェニシス」は大好きなんですが、これはパラレルワールドでしたからね。

だから、そのいずれもがサラ・コナーのストーリーではないと言えるんです。


じゃあ、今作はパラレルワールドではないのか?と思う方もいるでしょう。そこが重要!

T2での戦いを生き抜いたサラとジョン。
1997年8月29日の「審判の日」は来なかった。
でも、その後は彼らが思い描いたような未来ではなかったんです。
衝撃的なオープニングで、歴史が変わっていきました。

「審判の日」は回避され、ダイソンも亡くなったため、サイバーダイン社により作られたスカイネットは生まれなかったが、代わりに別なものが生まれます。
それがリージョンであり、REV-9です。


そのあたりは、歴史の持つ力が関係しているとも言えますね。
小さな変化は見逃しても、大局的にはあまり変わらず、歴史はその流れを元に戻そうとします。
だから、スカイネットは生まれなかったが、別な発明によりリージョンが生まれてきてしまうんです。
そして、再び「審判の日」が起こることになる。
そして、サラの立場からするとその歴史は1本の直線なんですよ。パラレルワールドではないんです。そこが重要!


逆にまた、ジョンを失った人類は、新たな救世主を必要とし、ダニーを生むのです。サラがダニーにジョンを見るのは必然なんですね。

T2以降のサラの人生と、その後継者となるダニーの登場。まさに今作が正当な続編と言われ得る理由です。


【そして、ターミネーターT800問題】
今作に登場するターミネーターのT800は、T1やT2に出てくるターミネーターとは別の個体です。

同じ使命をプログラムされたターミネーターが複数過去に送られたと語られましたよね。
なので、T1で倒したものとは当然別で、T2のものとも違います。

それがオープニングに登場した個体カール。

使命を果たしたカールは、その存在意義を失いますが、そこで、自ら考えて行動するようになるんです。
元々潜入型のターミネーターであるT800は、人間的な感情すら学習するようになり、ジョンの死を悼み、サラを助けるようになるんですね。

また、その潜入型というメカニズムのため、容姿が老いたり、人に溶け込んで生きながらえることになるんです。
年をとったシュワちゃんが演じることに違和感を抱かせない見事な設定でした。



また、歴史が変わったことにより、敵のターミネーターにも変化がありましたね。
REV-9は今までのターミネーターとは違い、無差別に人を殺したりしません。殺さずに相手を懐柔しようと務める姿は、より狡猾さを現します。T-1000ともT-Xとも違います。
そこをしっかりと描いているあたり、さすがだなと感じましたよ!


アクションは流石の演出ですし、サラの"I'll Be Back"に始まり、たくさんのオマージュにもニヤケます。
また、第二次世界大戦でのノルマンディー上陸作戦のような感じで上陸してくるターミネーター軍も恐ろしかった。

新たなヒロインのダニエラ・ラモス(ダニー)も良かったし、なんと言っても、強化兵士のグレースが素晴らしかったよね。演じるマッケンジー・デイビスの魅力に溢れていましたよ!

サラを演じるリンダ・ハミルトンは完璧だし、シュワちゃんも元気で嬉しかった。
僕は今作に満点を付けない理由がありません。
サラ・コナー三部作の完結編として満足いく作品でした。本当に良かったよ!