ねこ無双

カットスロート・ナインのねこ無双のレビュー・感想・評価

カットスロート・ナイン(1972年製作の映画)
5.0
ならず者の囚人七人と、それを連行する軍曹とその娘。
囚人たちを繋ぐ鎖が全ての災いの種だった。
何度も繰り返し言われて耳たこだと思うが、タランティーノのヘイトフル・エイトが影響を受けた一本と言われてます!
ヘイトフル・エイトは逆に観てません!(*゚∀゚*)
残酷西部劇という触れ込みでしたが、西部劇苦手でもイケると思います。
西部劇臭は薄いのではないかと。

金を狙って、誰かが抜けがけしかねない中、油断のならない状況。
過酷な雪山を重たい鎖を引きずりながら、囚人たちは歩を進めてゆく。
ならず者の中に投げ出された娘はなす術もない。

ジャケ写怖過ぎですが…
こんなホラーでは無く、もっとドラマしてます。
ただ残酷描写はなかなか惨たらしさなので…
この物語に腸まで出す必要はあるんか?と思わないではないけど、凄い描写だと思う。
登場人物それぞれの過去にまつわる回想シーンが挿入されるが、その中に誰にも知られずひっそり闇に葬られる驚きの真相もあって、全く救いがない。
非情な雰囲気を醸し出すオーケストラの音楽も素晴らしい。
ラストのあのもたらされる停止ショットの効果。
余韻に浸ってしまいました。

軍曹の娘を演じるエマ・コーエンの少女のような清楚な魅力は忘れられないと思う。
非情な物語に華を添えて。
既見であるカンニバルマンに出てたようだけど、残念ながらまるで覚えてない。
他にも黒騎士のえじき、
マドモアゼルa go go
などレンタル可の映画にも出ていて、また会えるのを楽しみに出来そう。