なんじゃこりゃ。 169 分というおっそろしく長いランニングタイ厶をかけて、なにも語っていない、ものすごく空虚で残念なチャプターツー。子ども時代から時をくだり、大人たちの物語になったものの、映画そのものは子どもむけの遊園地、おばけ屋敷になってしまった。最恐のピエロは、さまざまなテーマを編み込んで暗喩の束になったチャプターワンのペニーワイズから矮小化し、ただのなんでもやるびっくりおどかしおばけと化してしまっている（おまけに言葉責めで殺されてしまう、なんともあわれな It ）。スティーヴン・キングに興味がなさすぎて、どこまで原作をなぞったものなのかわからないのだけれど、すべての伏線を無に帰して、物語ることがなにもなくなってしまった先の、しょうもない蛇足。こんなにおいしい設定や舞台、装置をつかって、こんなにもつまらなくできるのか。あの意欲的なチャプターワンはなんだったのか。テレビシリーズだったらまだましだったかもしれない。（０点）
