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殴られる彼奴(あいつ)のkazu1961のレビュー・感想・評価

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)
4.4
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-246 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋とてもとてもシリアスで、心の叫びが聞こえてきそうな人生劇、稀代の怪優ロン・チェイニーの壮絶な演技とヴィクトル・シェストルム監督の幻想的な映像が心に響く人間の愛憎劇、これは映画としてとても面白い!!

🖋オープニングの挿入、“人生という悲喜劇の決着は、最後の場面で笑っていられるかで決まる”。。。この言葉が最後まで脳裏に残りながら鑑賞することになります。稀代の科学者が友人に騙され、サーカスの道化師に身を落としても、愛する人たちを守り、そして裏切った人には結果として復讐することに、それでも道化師として笑い続け。。。最後にどんな人生の幕切が来たとしてもそこで笑って逝けるかどうかが、人生をどう生きたかと言うことになるんですね。もうクライマックスでは切ない涙でした。。。

🖋その人生を壮絶に演じた怪優ロン・チェイニーの人生劇と、ヴィクトル・シェストルム監督が時折投げ込む道化師が地球儀を回す映像と地球儀の周りを道化師が走る映像。。。この幻想的ですが象徴的な映像とが融合することによって、悲劇性と喜劇性の両面を見事に表しています。観てる人に何とも表現し難い感情をもたらすんですよね、これがシュール。

🖋さらにチェイニーを中心とするピエロ達の舞台芸は素晴らしい造形で、クライマックスのリアルライオンにはびっくり!!
この辺りの演出も巧いですよね!!やっぱりサイレント映画の傑作の一つですよね。

😢Story:(参考: アテネ・フランス文化センター)
陥れられた学者が絶望のあまり曲場団の道化となる。一方、美しい伯爵令嬢が騎手として曲場団に入る。道化は彼女の恋を実らせようとする。

🔸Database🔸
・邦題 :『殴られる彼奴』
・原題 :『He Who Gets Slapped』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1924
・日本公開 : 1926/06/11
・上映時間 : 80分
・受賞 : ※※※
・監督 : ヴィクトル・シェストレム
・脚本 : ヴィクトル・シェストレム、ケーリー・ウィルソン
・原作 : レオニド・アンドレーエフ
・撮影 : ミルトン・ムーア
・音楽 :
・出演 : ロン・チェイニー、ノーマ・シアラー、ジョン・ギルバート

🔸Overview (参考:Wikipedia )🔸
1924年に製作・公開されたアメリカ合衆
国の映画(サイレント映画)である。レオニド・アンドレーエフの原作に基づきヴィクトル・シェストレムが監督、ロン・チェイニーとノーマ・シアラー、ジョン・ギルバートらが出演した。シェストレム監督の渡米2作目である。2017年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
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