とりん

リズと青い鳥のとりんのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
3.7
京都アニメーションが送る、響け!ユーフォニアムの番外編となる映画
アニメシリーズでは3年生が引退して終わったが、その後となる新3年生による新しい代の話になっている
メインはオーボエのみぞれとフルートののぞみ
中学から仲の良いこの2人はのぞみが誘う形でみぞれと吹奏楽を始めたことがきっかけ
高校でも同じ高校で吹奏楽を続けていたが、部内の先輩による雰囲気に耐えれずのぞみがみぞれに何も言わずに辞めてしまう
その後当時の上級生が抜け雰囲気が良くなったところにのぞみが帰ってくるのだけれど、以前と同じようにはなかなか上手くいかず、微妙にギクシャクしてしまっている状況であった

映画はその延長線上の話であり、お互いその退部再入部による溝を感じてしまい、思いやるあまりにすれ違いが生まれたりしている
アニメシリーズではここに焦点を当てることはあまりなく、この一連の流れはありつつも、細かい描写などはやはり主人公たちの学年を通しての視点が多かった
ゆえにテイストがアニメとだいぶ違う
ちなみにアニメシリーズの主人公たち2年生(シリーズ時は1年生)がほぼ脇役でセリフもほんの少ししかない

今回のコンクールの自由曲がリズと青い鳥であり、その物語に合わせて、ストーリーが進行していく
自分たちをリズと青い鳥に重ね合わせてたけど、自分たちが重ね合わせていたみぞれがリズでのぞみが青い鳥と思っていたが、それは逆だった
それに気づいた2人が心境の変化を見せ、また新たな一歩を踏み出していく
すれ違った心が再びしっかりと噛み合ったわけではないが、ただ寄り添い合うだけでなく、前へ進もうとしていく様子が最後には見える

個人的にはすごい惹かれる感じだが、いかんせん話がスロウで回りくどかったりするので、わかり辛くもある
シリーズの元々の背景を知らないと、そもそもの全体像が掴めないと思う
今回はリズと青い鳥の物語を散りばめているのでなおさらかなと
この作品はありがちな青春活劇ではあるのだけれど、恋愛要素とかそういうのはなく、ひたすらに部活に打ち込んでいる感じである
それも吹奏楽であるため、スポコンにはなり得てない

独特のタッチと他ではあまり描かれてない青春劇を等身大で肩肘張らずに描いている、そしてそれを京都アニメーションの強みでもある繊細なグラフィックがこの作品の魅力でもある
エンディングでHomecomingsか流れてきたのはすごく嬉しかった、彼女らをスクリーンで聴ける日が来るとは

2回目:2019/04/21 wowow
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