kazu1961

ブレッドウィナー/生きのびるためにのkazu1961のレビュー・感想・評価

4.0
▪️Title : 「ブレッドウィナー」
Original Title :「The Breadwinner」
▪️First Release Year:2017
▪️JP Release Date :2019/12/20
▪️Production Country: アイルランド・カナダ・ルクセンブルク合作
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-454
🕰Running Time:94分
▪️My Review
やはり映画って、目を開かせてくれますね。決して今は世界的にコロナ禍で幸福の尺度が変わってるかも知れませんが、日本に生きてる限り信じられない日常を送っている世界の国、地域、人人が多くあることを再認識させらる、そんな“現実”とは。。。
ほんと、凄く刺さった作品です。圧倒的な理不尽さと恐怖を前に大人たちが無力になる中、11歳の少女パヴァーナの勇敢さが心に響きます。パヴァーナが美しい黒髪を切り落としたとき、タイトル『ブレッドウィナー(一家の稼ぎ手)』の意味が重く突き刺さってきました。そして、小さな体で家族を支える、過酷な環境下に置かれているパヴァーナのような少女が、世界に何百万といる現実。少女達を代表するパヴァーナの人生を映画化したんだなと思って鑑賞していました。
ラストに少しでもの希望が欲しいと思いながら鑑賞し、そして涙が流れました。。。
そして、こういう作品を世に送り出す、カートゥーン・サルーンの作品創りには敬意を表します。
本作の原作は、カナダの作家で平和活動家のデボラ・エリスの「生きのびるために」。17ヶ国語に翻訳され、ピーターパン賞をはじめ数々の文学賞を受賞したベストセラー児童文学です。パキスタンの難民キャンプで、アフガニスタンの女性や少女に取材を重ね聞き取った話をもとに本原作を書き上げた、そんな作品の映画化です。そして、映画化にあたっては、協力者アンジェリーナ・ジョリーの参加もあったそうです。
物語の舞台は、2001年アメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタン、カブール。11歳のパヴァーナは、お話を作って家族に聞かせるのがとても上手な女の子。しかしある日、父がタリバンに捕まり、パヴァーナたちの暮らしは一変。女性一人での外出が禁じられているため、パヴァーナは髪を切り“少年”になって、一家の稼ぎ手(ブレッドウィナー)として町に出ます。パヴァーナが目にした新しい世界とは? 家族たちの運命は?。。。
そのアニメーションの手法も、ストーリーをより際立たせ、主人公の目の表情に恐怖や怒り、そして希望を語らせる細やかな演出によって「アニメーションは子供向け」という先入観をトゥーミー監督は打ち破っています。さらに、綿密な調査に基づき伝統的な2Dの手描きアニメーションによって再現されるリアルなカブールの町並みと対比させるように、パヴァーナが語る物語の世界は、切り絵アニメーションで、色彩やかに描かれています。2つの異なるスタイルのアニメーションが、物語の力で困難な現実を強く生き抜く、主人公の姿を一層輝かせているんですね。
パヴァーナをはじめ声優の半分をアフガニスタンにルーツを持つ俳優が担当し、音楽にはアフガニスタン国立音楽院の若い学生たちが参加しています。
日本では『生きのびるために』というタイトルで2018年6月1日よりNetflixで配信されたが、2019年12月20日より『ブレッドウィナー』というタイトルで劇場公開されました。そして、『生きのびるために』は第90回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたんですね。

心に刺さる良作です!!

▪️Overview
タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、過酷な日常を生き抜こうとする少女とその家族の姿を描き、第90回アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた社会派アニメ映画。原作はカナダの児童文学作家デボラ・エリスの小説「生きのびるために」。監督は「ブレンダンとケルズの秘密」のノラ・トゥーミー。両親や姉、幼い弟と暮らす少女パヴァーナへは、戦争で片脚を失った父と一緒に露店を出して日銭を稼いでいた。そんなある日、父親が突然タリバンに連行されてしまう。女性だけでの外出は禁じられており、一家は食料も買うことができず窮地に立たされる。そこでパヴァーナへは髪の毛を切って男装し、街へ働きに出るが……。2018年「26th キネコ国際映画祭」で上映され、長編グランプリを受賞。Netflixでは「生きのびるために」のタイトルで配信。(引用:映画. com)
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