カツマ

恋は雨上がりのようにのカツマのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.1
やみそうもない雨降りの日の雨宿り。降りしきる涙の雨に傘を差し、雨粒の終わりを思い歩き出す。
この映画には雨のシーンが多かった。しかし、それと同じくらい快晴の空が眩いほどの光を放っていたと思う。雨上がりの空が綺麗に晴れ渡るように、夢を追う二人の今を未来へと繋げる物語。

40代のおじさんと女子高生のラブストーリーと聞くと少し身構えてしまうけれど、そこにあるのは留まっていた人生を少し前に進めようとする瑞々しい光景だった。小松菜奈と大泉洋のキャスティングは正に完璧。不思議と二人がお似合いに見えてくるのは、やっぱりこの映画がラブストーリーだったからなのかもしれない。

〜あらすじ〜

17歳の女子高生橘あきらは、バイト先のファミレスの店長近藤に密かに恋心を抱いていたが、その想いを伝えられないでいた。近藤は45歳バツイチ子持ちで、スタッフにも小馬鹿にされている冴えないおじさんだが、あきらの恋心は今にも溢れ出しそうだ。
あきらはかつては高校記録を出すほどの陸上選手だったが、怪我のせいで陸上を断念。失意の中で出会ったのが近藤だった。そんなことも知らない近藤は、あきらに突然告白されても『嫌われてなくてよかった〜』と安心する始末で、あきらの想いはなかなか伝わらず・・。

〜見どころと感想〜

年の差ラブストーリーを瑞々しい筆致のままに描き出し、立ち止まっていた男女の背中を優しく押すような作品に仕上がった。邦画特有のキラキラ恋愛映画とは一線を画した青春ドラマになっていて、カットの一つ一つが愛らしく美しい。特に小松菜奈の真っ直ぐに恋する表情には、こちらまでドキドキさせられてしまったほど(笑)

そしてやはり大泉洋の存在は大きかった。冴えないおっさん役が板につき過ぎていて、どう見てもバツイチ子持ちのおっさんに見えた。原作を忠実に再現したシーンも多く、漫画の実写化映画としてはかなりの高クオリティ作品だと思う。
ラストカットも最高。小松菜奈と青い空のコントラストが素敵な未来を想起させてくれました。
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