ゼロ

恋は雨上がりのようにのゼロのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
3.8
17歳の女子高生が、冴えない45歳のおじさんに恋をする。

設定だけを聞くと危険な香りがしますが、女子高生・橘 あきらを演じる小松菜奈さんと『ガーデン』で店長を務める45歳・近藤 正己を演じる大泉洋さんだと爽やかな青春物語になっています。

映画の冒頭と結末がMVみたいに疾走感があり、キラキラとしています。高校生活のスピードとかけがえのないものを演出させ、『ガーデン』でのバイトシーンへと移ります。

冴えないおじさんを務める大泉洋さんは、カッコ良かった。女子高生であるあきらが、惚れてしまう理由も分かるし、惚れてしまうエピソードがあるのも良かった。大きな挫折がある時に、見知らぬ人間に優しくされたら、原動力になります。

最後まで紳士でいたのも良かった。あきらが店長に恋をしてしまう理由を明確に伝え、おじさんに恋をするよりも大事なものがあるんじゃないか?と問いかける余裕。嘘みたいな大人像を描いており、人間としての器に辟易します。

作品としては、あきらと店長の恋愛ものかもしれませんが、私は何かに挫折した人を応援してくれる青春物語に見えました。あきらは、陸上部でケガをしましたが、紆余曲折あり、自分の大切なものを見つけた。店長は、小説家として生計を立ててる友人と疎遠になっていたが、自分と向き合い、自分の好きなものである小説に挑戦する。

ドラマのようなハッピーエンドですが、それでいいじゃないですか。

明日から頑張ろうと思える青春映画でした。
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