Oto

欲望のOtoのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.9
不親切映画とか不条理映画と呼ばれるらしいけど好きだったなぁ。やりたい放題の監督に激怒したプロデューサーがイタリアに強制送還させて全シーン撮り切らずに完成になったから謎の人物とか登場しまくってるらしい。

でもその断片的なミステリアスさとか、衝動で動く人物たちの突飛な動きとかに惹きつけられる。フィルムの『ラジュテ』的モンタージュ、その間から覗く主人公のショット、カットを割らずにパンやティルトを繰り返すカメラワーク、ヤードバーズのライブと捨てられるネック、ギャルとの混沌、ボールの見えないテニスと音とか、真似したい映像だらけで楽しかった。

オチの解釈は難解だけど、冒頭から不確かでリアルでない存在ばかりで、どこまでが曖昧かとか考えるの儚くて楽しい。投げ返したリアクションがないのかっこいい。他の監督作も観たい。

・傲慢で衝動的な売れっ子写真家、知らないカップルを公園で盗撮するが女性にバレて家に乗り込まれる。
・偽のフィルムを渡して本物を現像すると、銃口を向ける男を見つける。殺人を阻止した瞬間を押さめたと喜ぶが仕事仲間に相手にされず、現場に向かうと死体を発見する。帰宅するがスタジオは荒らされ、死体の写真以外が全て消えている。
・仕事仲間を説得できず一人で現場に戻るが死体は消えている。エアテニスを眺めているうちに自分の存在が消える。
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