とりん

未来のミライのとりんのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.8
大人気映画を生み出してきたスタジオ地図が贈る細田守監督の最新作
元から期待はせず観たけど、ここまでとは思わなかった
家庭のホームビデオを長回しで見ているようだった
小さな子どもがいたり、2人が生まれた時の親御さんしか共感できないとどこかで見たけど、そんなレベルではなかった
正直ああいう駄々っ子や癇癪起こしたり、下の妹や弟に嫉妬したりなんて、子どもがいないでも想像できるレベル
それを子ども視点で描いてるから少し惹かれるところもなくはないけど、ストーリー自体がイマイチなだけになんだかもったいない

妹ができた兄として少しずつ成長する様を家の庭にある木から生まれる歴史の流れで過去や未来に行き、成長して行く物語
そのひとつひとつが確かに子どもにとっては大きなことなんだけど、流れが悪いのかそこへの感情移入が上手くできなかった
子ども視点かと思いきや索引やインデックスなど明らかに子どもには理解できる範疇を超える単語や言い回しが出てきて、クンちゃんの設定年齢を問いたくなる

道筋を示す未来という意味ではなんとなく全体をあそこで捉えてたのかと思った
それにしても誰目線に対し、何を感じさせるための映画なのかが理解に苦しんだ
人によっては子どもは煩わしい生き物としか捉えられないのではないか

映像はさすが細田監督と言ったところ
風景描写がさながら実写レベルだし、感情表現はさすがと言ったところ
個人的には歴史の木から帰るインデックスを探す時の電子世界観が細田初期作品を彷彿とさせて少しテンションが上がった

また今回声優がとにかくひどい
散々特番とか特集があってたのでどれだけ取り組んだのか知っていたけれど、上白石萌歌はやはり萌歌でしかなかった
全く子どもの声に聞こえなかった
ゆえに先ほどの感情移入や伝えたいことが全く入ってこないところに繋がるのだろう
最後まで違和感たっぷりだった
父役の星野源や母役の麻生久美子もまんまだった
その中でも福山さん演じるひいじいじが凄く良かった、かっこよかった

主題歌が山下達郎なのだが、まさかのオープニングとエンドロールどちらにも同じ曲を使うというのはいかがなものかと
個人的に回を増すごとに細田守監督の作品と合わなくなってはいるが、今回はあまりにも…
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