mimitakoyaki

リトル・フォレスト 春夏秋冬のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.0
今作のオリジナルである橋本愛と松岡茉優の日本版も春夏と秋冬と以前に見ましたが、内容も雰囲気もとっても良く似ていました。
海を隔てた向こう側、同じ東アジアの日本と韓国は、田舎の農村の風景もそっくりで、出てくる料理が韓国料理やマッコリがあったり、家が韓屋であるという違い以外は、季節の巡り方も穫れる野菜も生きづらさも同じなので、ほんとに近く感じました。

恋愛も就職も上手くいかずに逃げるようにして故郷に帰ってきたへウォンが、故郷の家に帰ってきて、ほぼ自給自足のような生活をしていく中で、自分の中で受け入れられずにわだかまっていた母親のこと、自分のことをゆっくりと受容し、大人になっていくという話です。

まあ実際の田舎の農業しながらの生活はもっと厳しかったり泥臭かったりするのでしょうけど、そこは日本版の橋本愛ちゃんもそうでしたが、キム・テリちゃんがするからなんとも爽やか。

新しい命が芽吹く春、厳しい暑さにも潤いを与えてくれる瑞々しい夏野菜の実る夏、山の恵みや稲が実る秋、雪に覆われ、野菜や果実に甘味をもたらしてくれる冬。
巡る季節とともに自然からの恵みを美味しくいただくとびっきりの贅沢!
そして、それぞれの季節を豊かに過ごしていく知恵を伝えてくれたお母さんとの思い出。

自分自身を引き受けて生きていくってどういうことなのか、一度きりの人生を大切に生きるとはどういうことなのか、豊かな自然とお母さんの教えがへウォンを導いてくれる。

一足早く自分の生き方を見つけた幼馴染の存在もとても素敵。
田舎には田舎の大変さもあるだろうし、美化されてるとわかっていても、自然とともに生きることの豊かさを感じるし、羨ましくもあります。
絶対マネできないけど…。

へウォンが作る料理がどれもこれもほんとに美味しそうで、めちゃくちゃお腹が減りました。
干し柿もお好み焼きも日本でもお馴染み。
トッポギやマッコリも美味しそう!

美しい自然と美味しそうな料理の数々、そばにいてくれる友達の存在、お母さんとの思い出に癒されました。

たまにはどぎつくない優しい韓国映画も良いんとちゃいますか。

56
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