KanaiSatoru

エブリデイのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

エブリデイ(2018年製作の映画)
4.0
エブリデイという映画を観ました。

ストーリーは、リアノンという女の子と霊体Aが恋をする新感覚の物語で、霊体Aは朝目覚めると様々なティーンエイジの体に憑依するという生き方をする魂という設定で、そんな霊体Aがリアノンのボーイフレンドに憑依したその日から二人の不思議な恋愛が始まる、というもの。

ストーリーを知らずに観始めると、最初何が起きているのかよくわからないので、上記の概要だけ頭に入れて観るとすんなり入り込めます。

映画のテーマは、障害のある恋とどう向かうのか、という有りがちで単純なものですが、考えられた設定が面白いです。

Aは、毎夜0時になると意識を失い、翌朝には別の誰かの人格に乗り移るため、目覚めてから今日はどんな子になったのか、鏡を見て姿を確かめ、部屋の様子を見て趣味嗜好を確認し、家族に会い、それから学校へ行く。
アメリカ国内のどの地域の子に乗り移るかわからないし、目覚めてみないと性別もわからないので、毎日が新鮮で楽しそうと思う反面、乗り移った子が虐められていたり、家庭環境に問題があったりする。

その子として生きられるのは、24時間だけ。同じ子には2回乗り移れず、なぜが対象は17歳の子だけ。というご都合主義があるものの、設定の面白さに乗っかってみようかな、と思える楽しさや初々しさによって、大目に見てしまう自分がいます。

リアノンは、最初そうでもない女の子ですが、進むうちにとても可愛く見えてくる不思議な女優さんで、若さゆえの我儘や、視野の狭さなど、2人のやりとりにモヤモヤしますが、そこが若者のリアルだったりするので、むしろいつの間にか感情移入している自分に気付いたりします。

この映画の素晴らしいところは、演じる若者が、皆さんAに憑依された時とされていない時をとても上手く演じ分けてている点です。憑依されている若者の中にホントにAがそこにいる、と思えることが凄いことです。
荒唐無稽な設定では、いかに信じ込ませるかというリアリティの部分が大事になるため、例えばボーイフレンドのジャスティンの演技など素晴らしいです。

2人の恋は実るのか?
2人の未来はどうなるのか?
そこは観てのお楽しみ、ということで、個人的には80点です。

1番最後のシーンの細かい演出を絶対に見逃さないように!
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