サラリーマン岡崎

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

4.9
前作観賞後に続編を制作ことを知って、
なんで続きモノにするのかと疑問を抱いていた。
しかし、確かにこれは続きモノにするべきだと本作を観賞してわかった。

麻薬カルテルの社会、
前作は突然そこにぶち込まれたFBIの主人公が全貌が分からぬまま、終わることができないカルテルの全貌など知ることができないことに気付くことで終わる。
そして、ラストに映し出される「Sicario(=暗殺者)」というタイトルで、カルテルが及ぼす終わりの来ない憎しみの連鎖が生む「復讐」というテーマが痛いほどわかってくる。

そして、今作は前作の主人公は出て来ない。
前作の後半で明らかになるカルテルに娘を殺され、復讐心を持った暗殺者になったアレハンドロが主役だ。
つまり、前作はカルテルを外から見て、なにも全貌がつかめないことを表現し、
今作はその内部にやっと入っていく。
そして、その終わりのない復讐の連鎖をまざまざと見せられるのである。

つまり、全世界の人に、段々とメキシコ麻薬カルテルを外から中へと見せてくれ、
その中心となる復讐の連鎖をまざまざ伝えてくれる、そのために続きモノにしてるのである。

冒頭の暗視カメラを使いながらの伏線をあげながらアクションへ持って行ったり、
アレハンドロの銃使い、誘拐をする際の臨場感といい、前作からよりスリル性が増す。
それも、よりカルテルの中に入っていくからだ。

そして、今回は子供達がメインの役として出てくる。
前作もラストタイトルが出る前に子供の姿があり、彼らが歩むこれからの未来がまたもや復讐に溢れるのではないかと、
観客に不安しか残さなかった。
今回の子供たちは、カルテルの現状を知っていきながらも、そこから前を向こうとしている。
(今作のラストも自分は良い方に進むのだと考えている)

多分次回はカルテルの未来をシェリダンなりに考え、
語ってくれるのではないかと思っている。
とても楽しみ。
続編が作られるかは興行次第らしいので、絶対みなさんみてください!