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万引き家族のkazu1961のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2
「万引き家族」
2018/6/8公開 日本作品 2018-140
2019年第42回 日本アカデミー賞最優秀作品賞

衝撃的な作品ですね。前評判通りの作品です。
是枝監督ならではの深い人間描写、そして独特の静けさのある間合い、静けさをベースにした細野晴臣の見事な音楽マッチング、完成度が非常に高い作品ですね。
家族ぐるみで万引きなどを重ねていくうちに、一層強く結ばれる一家。しかしながらそれは社会では許されない絆です。人と人との関係が希薄な今の時代に、「誰も知らない」「そして父になる」などで、様々な家族の形を真摯に見つめ続けてきた是枝監督だからこそ描ける、真の〝つながり”とは何かを問いかけています。衝撃と感動がひとつになるそんな素晴らしい作品です。
そしてストーリー、脚本の秀逸さもさることながら、とにかく出演してるキャストの演技が素晴らしい!!
教養も甲斐性もなく、息子に教えられることと言えば盗みしかないが、情が深く憎めない父に扮するのは、「そして父になるーの味わい深い演技で高く評価されたリリー・フランキー。
夫が連れてきたゆりに愛情をかけていくことで、自身が親から受けた傷を癒していく妻には、「百円の恋」で数々の賞を受賞した安藤サクラ。
JK見学店で働く彼女の妹には、現在、若手女優の中でも突出した存在の松岡茉優。
そして飄々としながらも、家族のまとめ役となっている祖母を、是枝作品に欠かせない樹木希林が、唯一無二の存在感を見せています。更に子役達、城桧吏と佐々木みゆちゃんのピュアな演技も素晴らしいです。
脇役も池松壮亮、緒形直人、池脇千鶴などそうそうたるメンバーが演技を競っています。
観終わった後、なにが正しくて、何がダメなのか、人の絆とは。。色々考えさせられました。

「三度目の殺人」「海街diary」の是枝裕和監督が、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、日本映画としては1997年の「うなぎ」以来21年ぶりとなる、最高賞のパルムドールを受賞した。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林と是枝組常連のキャストに加え、信江役の安藤サクラ、信江の妹・亜紀役の松岡茉優らが是枝作品に初参加した。
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