のん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドののんのレビュー・感想・評価

4.0
フィクションが現実を覆す



かねてより10本映画を撮ったら監督業を引退すると公言しているタランティーノ監督の9本目にあたる(『キルビル』は二部で1本カウント)本作は、ブラッドピットとレオナルドディカプリオという2大スター主演で描く1969年のハリウッドを舞台にしたドラマ。


ブラピとレオ様の共演が初、というのも二人のキャリアを考えると驚きでしかないが、それぞれタランティーノの過去作に出演しており、強烈なインパクトを残していたのを思い出した。


マンソンファミリーによるシャロン・テート事件を描くと聞いた時点で、これは『イングロリアスバスターズ』をやる気だなと思っていたら、やはりその通りだった。

現実を超えたフィクションを描くことで現実を覆すという着地点は、おそらくクリエイターのある種の究極の夢であり、それを高度な次元で実現しているのがタランティーノの凄さなのだろうと思う。



161分という長尺だが、エッジの効いた台詞のやりとりと主役二人の演技のおかげで、どこを切り取っても面白い。一見ダラダラと撮っているようにみえて、常に絶妙なコントロールがかかっている。こうした作品の緩急のつけ方も見事。


私はどちらかといえばレオ様派なのだが、本作の白眉はブラッドピット(もしくは子役の女の子)だろう。おしげもなく肉体美を披露する姿は『ファイトクラブ』を彷彿とさせ、ハリウッドの第一線で活躍し続けるその勇姿を永遠に眺めていたかった。



アルパチーノ太ったなあ…。
のん

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