むらみさ

エンジェル、見えない恋人のむらみさのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
4.2
あなたがそこに居る
それを感じることがこんなにも官能的だなんて。

エンジェルを産み育てた母の哀しみ。そういう切り口でストーリーを組み立てることももちろんできたのだろうが、母の深い愛情がエンジェルにひとを愛する心を与えていた。
エンジェルはマドレーヌに近づいた後も、じぶんのアイデンティティの確認のために彼女を使ったりもせず彼女を尊重し続け、隣に居るだけで抱擁しているかのように近くで見守り続ける。

彼が観て感じるマドレーヌの美しさは、ふたりの澄みわたった心の美しさの結晶のような気がする。

ひとが誰かを愛し始めるのは外見が9割、となにかで読んだことがあるが、初めに相手の心を感じることで相手を知る。
それをこんなにも官能的に昇華するとは……
温かく包まれるような映像体験に感謝。
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