馬井太郎

トゥルー・ロマンスの馬井太郎のレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
4.0
記憶がかなり薄れていて、しばらくして、ようやく20年ころ前に観ていたことを思い出した。歳をとったものである。たった一人の女優・パトリシア・アークエットも、47歳になってしまった。殆ど無名に近かった彼女も、この映画でいちやく注目のスターダムに上り、私生活ではニコラス・ケイジの妻になった。

クリスチャン・スレーターと知り合い、幸せいっぱい、熱々の生活ではいい動きを見せてくれる。が、ある時、一転して汚れ役にかわる、この落差が人気を集めた一因ともなったのだろう。
いまでは殆ど見ることのなくなった喫煙シーンが、この時代ではまだ息づいていて、何度か出てくる。
それと、気になるのは、この映画に限ったことではないけれど、サングラスがよく使われていることだ。薄暗い室内では、全く意味が無い。ただの雰囲気作りだけでしかないだろう。ま、映画とはそういうものなので、特に否定はしないことにする。
後に主役に起用されるいい俳優陣が脇をかためている。ここでは列記しないので、他のサイトで、ぜひ確認していただきたい。
登山で頂上に立った時、周囲を眺めて気に入った山のなかに、次に登ってみたい衝動にかられる出会いが、よくあるものだ。映画も、まさしくこれとそっくりで、胸を響かせられた俳優がいたら、ぜひ、追いかけていただきたい。これも映画鑑賞の楽しみのひとつである。もちろん、俳優以外・監督、スタッフにも注目すべき。(脚本:タランティーノ)

ラスト、パトリシア・アークエットの笑顔が、最高に、いいっ! (頼む! 歳をとらないでくれ)