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エセルとアーネスト ふたりの物語のQvQのレビュー・感想・評価

3.8
冒頭部分で息子であるレイモンド・ブリックス(のたぶん本物)が、これは本当にふつうの夫婦の話だと言っているけど、本当に想像以上にふつうのそこら辺にいる夫婦の話、でも何だかだからこそいっそう泣けてくるような、そんな話でした。

世の中、そんなに素晴らしい人ばかりでもなく、かと言って悪い人ばっかりでもない。リッチで高い教育を難なく受けられるような家庭もあるだろうし、貧乏が語り種になるような家庭で育った人もいるだろうけど、この映画にはだいたい真ん中くらいの家庭で育った人には「あ〜、あるある。」と思えるようなエピソードが散りばめられてて、ところどころとても共感できたりします。

うちの場合は父親がとても器用な人だったので、家の中にも外にも棚とか小屋とかいろんなものを手作りしてました。包丁は言えばすぐに研いでくれるし、それを母はいろんな場面でいろんな人に自慢してた。家族旅行にもたくさん行ったなあ。ご飯食べに行ったり、家族で出かけたり、そんなこともすごく思い出しちゃった。

親子の関係も全てが当てはまるわけじゃないけど、わたし的に親としても子としても「あ〜、わかる…。」ってことがいっぱいだった。どっちにしても親って本当、「親バカ」なんだよね。

ママが編み物をしてる姿が自分と重なる。庭のバラの香りを嗅いだりすることが幸せだったりね。終盤はそういう普通に、懸命に生きてきた人に訪れる最期の時の描写が自分と重なってしばし想いに耽ってしまいました。

でもそんな気分でいると、最後の最後にチャールストンぽい感じの明るい曲が流れて急に前向きになれる。戦争の時代がちょっとだけコロナの今とオーバーラップしたりもして、それでもたくましく人は生きてきたんだなと思ったりもして、どんな時でも、どうなっていったとしても、当たり前の生活を頑張っていこうかな、って最後は思えました。

ごちゃごちゃ書いちゃったけど、けしてそんなふうじゃなく、穏やかでほっこりするようないい映画だったです(^_^)v
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