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イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語のsoのレビュー・感想・評価

3.0
モリッシー誕生物語であり、同時に、
自分の居場所がないと悲嘆する全ての若者への力強き讃歌。

世の中の退屈でしかない仕事やそれに従事する人々に背を向けたはいいものの、同じような境遇の若者が集まるライブハウスやそこで享受されている音楽にも馴染むことができないモリッシーの鬱屈とした表情は、まるで昔の自分を見ているようだった。
しかし、愛想笑いで何とかその場をしのいできた自分と違い、モリッシーの何と無愛想なこと。人の質問にも答えず、会社での態度もひどすぎる。(さすがに上司が不憫すぎる!)
そんな彼の内側で煮えたぎっている怒りや悲しみの大きさが、彼が部屋で黙々と打ち続けるタイプライターの鋭く冷たい音から伝わってくるようだった。これらの蓄積していく時間と感情と言葉が全て、後にスミスで爆発することを思うと、モリッシーが職業紹介所で職員に言う「もう少し努力していれば詩人になれたと思わないか?」という言葉が切迫して響く。

モリッシーがモリッシーになっていく様子に胸が高まる。
しかし、なぜ!最後にジョニーマーのギターで歌うというカタルシスをみせてくれなかったのか!
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