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地獄の犬 地獄の使者デビル・ドッグのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.1
悪魔が宿った犬が人間を襲うオカルトホラー。当時大ヒットした『エクソシスト』の便乗作品の1つで、犬が悪魔になるという他の悪魔憑き映画と比べると新鮮な設定が面白い作品です♫

めっちゃマイナーなホラー映画で今までVHSしか出回ってなかったんですけど、なぜか今年の5月にDVDが発売されるようです。どういう経緯でそうなったのか謎ですが、気になった方は是非ご覧になってみてください(*^^*)今までフィルマに登録されてなかったので、この前リクエスト出したんですけど、DVD発売を考えるとタイミングばっちりでしたね(笑)

あらすじ…
主人公一家は父母、息子、娘の4人暮らし。せっかくの娘の誕生日なのに飼ってた犬が死んでしまう。悲しみに暮れてる中、偶然通りかかった野菜売りのおっさんが子犬を譲ってくれる。子犬にラッキーと名付け楽しく暮らす一家だったが、ラッキーを不吉なものだと警告していた家政婦がある日焼け焦げて死んでしまう。その日から子供たちの様子がおかしくなっていき…という話。

テレビ用の映画だけあってかなり雑な作りなんですけど、それなりに楽しめました。特に、不気味な犬の演出がとても良い。犬が人を襲うといっても噛み殺したりするわけではなくて、魔力的なものを使って自然発火現象を起こしたりするんですね。そして一家にとって邪魔な人間を排除してからは、一家ののっとりを開始する。まず子供たちを操り、次は母親という風に内側から誰にも気付かれずに少しずつ家族を支配し、主人公である父親を追い詰めていく。

その間もラッキーは目立った行動をせずに家族のそばに佇むだけ。周りから見たらただの愛らしいワンちゃん。その抑えた演出が恐怖の醸成にとても効果的に働いてる。中でも、薄暗い部屋の中で、犬が目だけを光らせじっと動かずに向こう側からこちらを凝視してるシーンの不気味さが素晴らしい。そしてこちらが視線を逸らすたびに少しずつ近づいてくるという演出も単純に怖い。

父親だけラッキーにのっとられず、悪魔の手先となった家族に相手にされなくなるというのも、仕事にかまけた父親が家族の除け者にされるという現実的な恐怖が根底にあるのかもしれません。

ただ後半30分の盛り上がりのなさがかなり残念。完全に悪魔化した犬と主人公の対峙シーンは迫力があるし見どころではあるんですけど、何とも緊迫感がないうえに長い…。そこに至るまでの流れも冗長だし。ただ、ラストの余韻はなかなか良いです。そんな感じで、雑だし色々とちゃっちい低予算B級ホラーではありますが、楽しめました♫
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