ねこ無双

キュクロプスのねこ無双のレビュー・感想・評価

キュクロプス(2018年製作の映画)
3.5
妻殺しの罪で服役していた男。
自らの無実を訴える男の前に現れた刑事は、真犯人の存在を告げる。
男は刑事、協力者と共に復讐を計画し始めるが…。

まず配役が素晴らしかった。
脚本も単なる復讐譚では終わらず、二転三転してゆく。

事件の真実に見えてしまうものは、いつも誰かの証言で、誰かによってもたらされたもの、主人公のものではない。
主人公に見えるものは暗い闇の中、亡き妻の亡霊だけ。
亡き妻の亡霊は憂えた眼差しで主人公の前に現れる。
ある時は死の無念を訴え、ある時は断末魔を見せつける。
それは復讐をしてほしいと訴えているというよりは、真実を主人公に気づかせようとしてるかのようだ。

北野武監督の初期作品を思い出させるような濃密なノワールの香り。
(最近の北野監督の作品観てないので…、最近の雰囲気はわからない)
ラスト、主人公が選ばなかった選択の方が私は好きな終わり方でした。