メイプルわっふるG

ヘレディタリー/継承のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.2
祖母の葬儀後、一家に降りかかる災難。
その背後では世代を越えた壮大な陰謀が張り巡らされていた。

不思議娘のミリー・シャピロが鮮烈。活躍はそれほどないのに存在感が抜群。そもそもCMの時点では彼女が主人公と思っていた。
今作の主役は祖母の血筋(ヘレディタリー)である母・息子・娘といった家族全員のようだ。

母役トニ・コレットの憤懣や絶叫が激しく、息子役アレックス・ウォルフの呆然や痙攣顔も良い。
トニ・コレットは『シックス・センス』のシングルマザー役。先日『クランプス』でも難儀な母役を見たばかり。実力者。
アレックス・ウォルフの名に聞き覚えあると思ったらロック様の中の人だった。

作中の父(ガブリエル・バーン)は入婿で非血縁者。唯一の常識人。視聴者と一番近い感性の持ち主なのではないかと。
でも盤上(作品)が理不尽なので頭固い人ポジションと化している。不憫。

衝撃的な事故、異常な行動、不可思議な出来事。物理か呪いか不明な展開など、ふんだんに盛り込んだ諸々をどのように着地させるかと思いきや、まるっとまとめて納得の結果。
このような大風呂敷、通常作品ならばむしろ笑いどころなのに今作ではツッコミよりも感心が勝る仕上がり(私見)。それだけラストに至るまで丁寧な作りだったということか。

唯一気になるのは組織の経典ともいえる書物(召喚本)の存在。
今作に限らず、手引のようなモノがあるということは過去に実際あった出来事ということ。ではその書物の元となった関係者や儀式の結果は?
富豪や財閥が数代で零落はあり得るとしても。人知を超えた○○○にしてみれば、たかだか数百年前の出来事。その存在は今なにしてるのかと。
この辺の納得度はお国柄や宗教観の違いがあるのだろう。

舌を鳴らす音の日本語がなくもどかしい。便宜的に「コッ」と表記されているけれど、そのものではない。
「トン」「コン」に"半濁点"を加えたような。
「ポン」をもっと硬音にするような。
双方を兼ねた「ポコ」という音でもない。
Vを表す日本語が出来たように、拗音促音も駆使して新たな日本語が増えてくれることを期待。


雑記メモ → ネタバレコメ

2021.09.18 ひかりTV
2020.12.20 ザ・シネマ (字幕)
2020.12.19 ザ・シネマ (吹替)
2020.12.19 ザ・シネマ (字幕)