潮騒ちゃん

美人が婚活してみたらの潮騒ちゃんのレビュー・感想・評価

美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)
3.0
ヒロインであるタカコをどんな目線で眺めたら良いかわからない。共感すればいいのか、愛おしめばいいのか、それとも蔑めばいいのか。個人的にはどれにも当てはめられず、好きにも嫌いにもなれなかった。一番ガッカリなところに着地。美人が婚活してみた結果はどこにあるんだろう。わたしが見逃したのか、やっぱりどこにもなかったのか。独身女をやってりゃそれなりのあるあるを生きるタカコは、確かに等身大なのかもしれない。けれどわたしは「死にたい」と「めんどくさい」を同義語のように扱う女に初めから距離を感じた。黒川芽以は一般の美人枠で収まりきらないオーラをしているし「化粧をしていなくても美人なんですね…」とウットリ呟かれるなんてやっぱりその他に埋もれる美人じゃない。居酒屋のおしぼりで顔をゴシゴシと拭く親友臼田あさ美にも距離を感じた。そんなオッサンみたいな女いねーよ、という意味ではなく乾燥肌著しい30代女性が冬場にそんなことをしたら顔がパッキパキになるからだ。臼田あさ美が重度のオイリー肌ならわかるけど全然そうは見えなかった。百戦錬磨のチャラいイケメン役で登場する田中圭の後ろ姿が素朴なイイ人にしか見えないところにも距離を感じたし、冴えない設定の中村倫也の顔がどうしても好きなのでダサ服が最早ハンディキャップに感じられないところにも距離を感じた。一歩踏み込んだ感じを醸すためのセックスシーンにも、全ては不倫で傷ついたからという免罪符にも、落ち込むこともあるけれどわたしは元気です、的な晴れ晴れとしたまとめ方にも距離を感じた。気がつけばものすごい遠くから眺めていた。唯一、回らない寿司は美味しそう。でもやっぱり「回らない」部分には距離を感じるな…。北海道の寿司は回転していても美味しいから嬉しい。
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