タイの鬼才ソーポップ・サクダービシット監督が贈るサイコロジカルホラー。
よくある王道でベタなホラー映画。ストーリー展開もホラー演出も可もなく不可もなくって感じ。
箸休めにちょうどいい作品。
この監督は『バーン・クルア 凶愛の家』や『ラッダーランド』でもそうだったが、ホラー映画に家族愛や友情などのヒューマンドラマを入れがち。

「一緒に死ぬって、約束したよね？」

親友同士の中学生、イブとボウム。2人の夢は父親が投資した高級マンションに一緒に住む事。しかしタイでは経済破綻の危機に陥り、多くの失業者と自殺者が出た。夢が叶わなくなったイブとボウムもその例外ではなく、2人は「一緒に死のう」と約束をする。イブは先に自殺するも、怖くなったボウムはその場を離れてしまう。それから20年後、ボウムはビジネスで成功を収め娘までいたのだが、イブの呪いが娘に襲いかかり...

タイ産のホラー。
日本未公開の時から気になっていたもの。

2時間近いながらストーリーがまあまあ面白く、恐怖描写はありきたりではあるもののホラーとしては良作の枠には入るかな～と思いました。良作 or (上から)ギリ凡作。

恐怖描写はまぁちょっとありきたりで、見慣れたもの＆音だけジャンプスケアのみで飽きてしまうのは事実。
親友の呪いが強いというか、約束を守らずビジネスで成功し普通に良い暮らしをしている主人公が88%くらい悪いのでなんとも言えませんが....あまりにも親友からの攻撃が一方的すぎて飽きる。主人公ボウムがどうにかして対抗、対処しようとするも、上手くいくことはほぼほぼ無く基本的にやられっぱなしなのがな～～。。。。

たまたま霊が見えた子供を「イブと話すため、お願い」とかなり無理矢理廃墟に連れて行って泣かせるシーンは主人公の強引さに流石に引いた。

とはいえ、これはホラー慣れしてしまった人の意見ですし、私が嫌いな「怪異を一瞬だとしても完全に映してしまう」というものはなく、ずっと「何かが...いる？」と、最後までずっと正統派でやっていたのはかなり好印象。

直接「何か」を出して怖がらせる事は無く、最後まで「何かの力(呪い)が働いている…」なのも良かった。怖くもないそれっぽい特殊メイクで怪異(親友)とか出されると萎えますし。

テンポはそこまで良くないですが、オチはザ・ホラー映画！って感じでかなり良かった。
つまるところ約束を守らなかった主人公が悪いでしょで落ち着いてしまう映画ではありますが、中々に嫌な余韻が残ります。
そこそこ期待してたけどまぁ後悔はないくらいには面白く、ホラー好きさんにならオヌヌメしたい作品でした。

視聴 2023年12月10日

• #izuのお気に入り

15歳の少女のボウムと友人のイブは、互いの父親が投資した高級マンションに住む事を楽しみにしていた。しかしタイの通貨危機が発生し、生活に見通しが立たなくなった事で、共に自殺を図る。イブが自殺したのを見て怖くなりボウムは逃げ出す。それから20年後、娘のベルと過ごすボウムの周囲で奇妙な現象が続発するホラーサスペンス。

タイ発のホラーサスペンス。そこまで捻らず割と分かりやすい形でしたね。自分だけ逃げ出したボウムの元に、自殺したイブが亡霊として復讐しに来る。娘のベルが巻き込まれ、命の危険に晒される。

ホラー演出もストーリーもシンプルな部類。ジメジメしたような空気感はタイならではからか、恐怖を煽る場面もいきなりガッツリではなく、ジンワリと嫌な状態が悪化していく形。お国柄が出ているなという印象を受けました。

本作の裏で表されるタイの通貨危機。1997年に実際に起こって多くの失業者と自殺者を出した当時のアジア全域においても重大な出来事。その裏側で悩み苦しむ人の描写も忘れてはいません。

前半は個人的にかなり好物的な雰囲気でしたが、後半でちょっと躓いた印象。悪くはないですが、後半さえガッツリした見せ場がもう少しあれば点数はもっと上がっていたでしょう。

そこまで評価は良くありませんが、最初から最後まで飽きずに見れましたね。タイの映画まだまだ見ていきたいです。